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巨人も中日も負け方がおかしい?
6点差からの逆転負けに、不吉な兆し。 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byNaoya Sanuki

posted2010/04/19 13:05

巨人も中日も負け方がおかしい?6点差からの逆転負けに、不吉な兆し。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

 ずいぶんと珍しいことがあるものだ。

 大方の予想通り、セ・リーグの首位争いをしている巨人と中日が、この一週間で、立て続けに6点差を逆転されて敗れた。

 巨人は13日、阪神に。中日は17日、広島に。

 巨人は3年ぶり、中日は6年ぶりの出来事だった。

 この現象をみて、今季のセ・リーグは、ひょっとしたら、最後の最後で一波乱起きるのではないかと思った。

 というのも、ふと、「野村ヤクルト」が盤石の強さを誇っていたころを思い出したからだ。

 野村ヤクルトの強さ。それは、簡単に言えば、勝ちにいったときのゲームは絶対に落とさないということだった。逆に、ローテーションの谷間など、負けてもしょうがないと判断したときは、中継ぎ陣を温存するなどし、傷を最小限にとどめていた。

 そして、そのどちらとも言えない試合のとき。そういうときこそが監督の腕の見せ所なのだろうが、野村さんはそういうゲームを拾うのが実にうまかった。先発投手の力を比較したとき、たとえ分が悪くとも、少しでも勝ちパターンに入ったら、そこから惜しげもなく中継ぎ投手をつぎ込み、何としてでも勝ちを奪いとる。そうして貯金を積み上げていったのだ。

全試合勝ちにいき、疲弊していった長嶋ジャイアンツ。

 それとは対照的に映ったのが「長嶋ジャイアンツ」だった。

 ヤクルト時代の野村監督と長嶋監督、2人が監督としてしのぎを削ったのは、'93年から'98年の6年間だ。うちヤクルトは3度、巨人は2度、リーグ優勝を果たしている。だが、資金力や戦力から考えたら、その数字以上に、ヤクルトはよくがんばったと言っていい。

 当時の巨人の人気を考えたら、やむをえない部分もあったのかもしれないが、長嶋さんは全試合、勝ちにいっているように見えたものだ。

 だから、選手が疲弊し、また集中力も分散しがちになってしまい、信じがたいような負けゲームを演じたり、ここぞというときの勝負に弱かったのではないだろうか、と思っている。

 西武の黄金時代、監督だった森祇晶さんは言っていたものだ。

「日本シリーズは、どうやって3敗するかが大事なんです」

 ペナントレースにおいても、同じことが言えるのだ。

【次ページ】 ここ20年間で最高勝率のチームでも40敗以上はする。

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