スター性十分の斉藤だが、その実力はまだまだ未知数。

　それでも、このスタートホールのつまずきを、逆に幸運に変えてしまったのが斉藤の強さ。「他人を気にしていた自分に気づいた。自分のプレーをもう一度やり直そうと考えました」という。3番、グリーン外から得意のパターで20メートルのバーディートライを決めると、ふたたび首位に浮上。上がりの17、18番を連続ボギーとしてプレーオフを招いたが、2ホール目、三塚優子のショートパットミスで優勝決定。いきなりヒロインの座に就いた。

　ビジュアル系と言われる、ルックスも抜群の斉藤。スター性は十分だが「優勝はしたけど、もっと技術を上げないとこの地位を確立できない。1つずつ成長して、自分を高めていきたいと思います」と、冷静さを兼ね備えるところが、より期待をふくらませてくれる。

初日の諸見里しのぶの快進撃で、開幕戦が一気に盛り上がった！

　また、今大会で初日をリードした6選手のうち、もっとも目を引いたのは諸見里しのぶだ。5バーディー、1ボギーの68で、今季の完全復活を予感させた。

　いわずもがな、'09年には年間6勝して賞金ランキング2位も記録していて、今季の賞金女王も当然狙っている諸見里。昨年7月のスタンレーレディスでは“ギネス認定”された「ハーフ27」の世界記録もマークしたが、この2年半優勝から遠ざかっている。

　今オフは心機一転を誓い、12月に静岡県・修善寺で1週間の山ごもりを行った。断食生活で座禅を組み「人生で初めて音を上げた、って言うくらい苦しかった。何かが変わったと思います」と、心身修養。「偏食が不安定な体調を生んでいると反省して、食生活から体質改善に取り組みました。料理はあまり経験もないので野菜炒めばかりでしたけど、無農薬、無添加にこだわって自炊もしました」と、体の中から自身をリニューアルし、2キロほど絞れた体を誇らしげに、開幕戦初日のスコアボードをリードした。

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