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ムエタイ最高峰の舞台へ。
梅野源治に漂う“殺気”。
~タイで一番有名な日本人に!?~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2012/02/22 06:01

ムエタイ最高峰の舞台へ。梅野源治に漂う“殺気”。~タイで一番有名な日本人に!?~<Number Web> photograph by Susumu Nagao

昨年11月にはデッカモン・ヒマライジムを倒し、WPMF世界スーパーフェザー級王座を奪取

 気鋭の和製ナックモエ(ムエタイ選手)がムエタイ最高峰の舞台へ。2月24日、梅野源治(PHOENIX)がタイの首都バンコクにあるルンピニースタジアムの定期戦に出場する。

 この興行を主催するのは、ムエタイだけではなく、タイ国内のボクシングでも最大勢力を誇るペッティンディープロモーション。プロモーターのシアナオ氏は梅野の実力を高く買っており、今後はタイでの活動を全面的にバックアップする方針を打ち出している。

 なぜ梅野が現地で高評価を得ているかといえば、昨年日本で3人の現役ランカーと闘い、いずれも鮮やかなKO勝ちを収めているからにほかならない。中でも9月にウティデートをヒジ打ちで失神させた一戦は大きな評判を呼んだ。ウティデートは'08年にムエタイ界で最優秀選手に選ばれたほどの強豪で、KO負けも少ない選手だったからだ。

 この一戦を間近で観た筆者も戦慄を覚えた。そして、ヒジ打ちとヒザ蹴りは本場タイの専売特許で、その技術を駆使して日本人がタイ人を倒すことなどありえないと決めつけていたことを恥じた。

タイ人を罠に引っかけるだけの賢さを持ち合わせる梅野。

 ムエタイではトップクラス同士の闘いになると、高度なフェイント合戦が繰り返される。普通外国人選手は途中からそれに付き合えなくなるケースがほとんどだが、梅野は違う。逆にタイ人を罠に引っかけるだけの賢さを持ち合わせている。

 選手としてのタレント性も見逃せない。普段は礼儀正しい好青年ながら、リングに上がると全身からギラギラとした殺気を漂わせるナックモエに変身する。

 ウティデートに勝ったことで、梅野はルンピニースタジアム・フェザー級9位にランクインした。現在はランク外だが、この階級のランキングに日本人が名を連ねるのは史上初の快挙だった。

 今回、主催者は梅野の対戦相手としてレックラーの名をあげる。鋭いヒザ蹴りを得意とするフェザー級の現役ランカーだ。それでも、梅野はしっかりと対策を練って調整すれば勝てると読む。レックラーに勝てば、ランキング復帰は確実。その勢いで4月に日本でもう一度他のランカーと激突して勝利を収め、6月にタイで王座挑戦という青写真を描く。近い将来、タイで一番有名な日本人といえば梅野という日が訪れるかもしれない。

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