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新・北の湖体制にかかる、
相撲界改革への期待。
~協会幹部の顔ぶれを見る~ 

text by

佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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photograph byKYODO

posted2012/02/15 06:00

新・北の湖体制にかかる、相撲界改革への期待。~協会幹部の顔ぶれを見る~<Number Web> photograph by KYODO

4年ぶりに返り咲いた北の湖。協会のガバナンスや年寄名跡の扱いなど、問題は山積みだ

 日本相撲協会が新体制でスタートを切った。弟子の不祥事で、当時の北の湖理事長が辞任したのは'08年のこと。史上初の「理事長再登板」については、土俵内外での温度差があるようだ。土俵外では、「一般社会では通用しない人事では」「人材不足か」との声が上がるが、「懸案である公益法人化問題で、体制立て直しが急務。こんな時だからこそ、経験と人望がある北の湖さんなんです」と、「土俵内」の親方は声を揃える。

 朴訥とした口調の強面ながら、実は北の湖理事長のその存在は、角界において大きい。古参記者がこう解説する。

「人の話に聴く耳を持つ、気配りの人。政財界や有識者のブレーンから、現役時代を知る居酒屋の親父まで、幅広く付き合える人徳がある。一癖ある角界の男たちを締められる、説得力を持つ存在だ」

 今回選出された理事10人のうち、新理事が半数を占めることになった。楯山(元関脇玉ノ富士)、千賀ノ浦(元関脇舛田山)、尾車(元大関琴風)、八角(元横綱北勝海)、春日山(元幕内春日富士)親方の5人だ。なかでも45歳の若手である春日山親方は、一門の先輩を退けての初当選。若い親方たちの「改革への期待」を一身に背負っての出馬だった。「公益法人化に向けて財務の健全化をはかり、協会の運営を透明化したい」と、その頬を紅潮させて独自のスローガンを掲げる。

「若い力士の教育に重点を置く」と意気込みを語る大山親方。

 副理事には松ヶ根(元大関若嶋津)、大山(元幕内大飛)、玉ノ井(元大関栃東)親方が選出された。大山親方は、相撲教習所での30年近くにわたる新弟子指導の経験があり、「カタブツ」といわれるほどの実直な性格で、意気込みをこう鼻息荒く語っていた。

「稽古場を人間形成の場としたい。昨今の数々の不祥事からも、教育が大事。各師匠の指導だけでなく、協会としても若い力士の教育に重点を置く」

 35歳、最年少副理事の玉ノ井親方は、「現役力士や若い親方たちのいろいろな意見を執行部に届ける、架け橋になりたい。ファンの方のためにも感謝デーのようなものが実現できれば」と土俵内外に目を向けている。

 土俵際に追い詰められていた感のある、昨今の相撲界。新・北の湖体制をもって「立ち合い」を仕切り直し、新たな技が繰り出される今後に、期待大。

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