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“シンデレラ物語”を叶えた、
ペイサーズHCの足跡。
~ボーグルがNBAに描く大きな夢~ 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byGetty Images

posted2012/02/12 08:00

“シンデレラ物語”を叶えた、ペイサーズHCの足跡。~ボーグルがNBAに描く大きな夢~<Number Web> photograph by Getty Images

今季ペイサーズは効果的な補強と若手の順調な成長もあり、2月9日現在で17勝8敗と好調

 インディアナ・ペイサーズのヘッドコーチ、フランク・ボーグルの父は、去年7月に38歳で正式にNBAヘッドコーチになった息子のことを「フォレスト・ガンプのようだ」と喩える。その心は、「いいタイミングで、いい場所にいたから」。ガンプ風に言えば、“奇跡は毎日起こった”というわけだ。

 確かに、ボーグルの経歴には巡りあわせと奇跡がちりばめられている。大学4年次に、将来プロコーチになりたいと志し、無名校から強豪ケンタッキー大に編入。当時の同大ヘッドコーチ、リック・ピティーノとアシスタントコーチ、ジム・オブライエンのもとで、二軍選手としてプレーしながらビデオ・コーディネイターの仕事を身につけた。数年の経験を積んだ頃にピティーノがセルティックスのヘッドコーチになり、ボーグルも活動の場をNBAに移した。その後オブライエンがシクサーズ、ペイサーズのヘッドコーチになると、その度にアシスタントコーチとしてチャンスを与えられた。

 去年1月、オブライエンがペイサーズから解雇された時には、シーズン末までの暫定ヘッドコーチに抜擢された。そしてプレイオフで首位ブルズ相手に互角の戦いをしたことが評価され、去年夏には正式に契約するに至った。過去にヘッドコーチ経験もNBAでのプレー経験もない、無名コーチのシンデレラ物語である。

ボーグルは「どのチームが相手でも勝てる」と断言。

 もちろん、運だけでNBAヘッドコーチになったわけではない。

「いつも月を狙うように、夢を大きく持つようにしてきた」とボーグルは言う。自分の能力を信じ、常に、周りからは無茶だと言われるような高い場所を目指し、それだけの努力をしてきたのだ。身近なチャンスで満足していたら、いくら能力があっても、NBAのヘッドコーチにはなっていなかった。そんな前向きな姿勢、努力する姿が、選手たちからも認められ、受け入れられた。

 ボーグルはペイサーズにも大きな夢を見る。「どのチームが相手でも勝てる」と断言し、手本として昨季のチャンピオン、マーベリックスの名をあげて、優勝狙いを示唆する。

 ボーグルは言う。

「周りの期待は高いほうがいい。このチームはリーグをかき回し、特別なことができるチームだ」

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