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高梨沙羅がW杯2位の快挙、
目指すはソチ五輪の表彰台。
~期待高まるスキー・ジャンプ女子~ 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAFLO

posted2012/02/02 06:01

高梨沙羅がW杯2位の快挙、目指すはソチ五輪の表彰台。~期待高まるスキー・ジャンプ女子~<Number Web> photograph by AFLO

高梨(左)は15歳。2月のジュニア世界選手権にも出場する

 2014年のソチ五輪で正式種目になることが決まったノルディックスキー・ジャンプの女子は、今シーズンから各国を転戦して争うワールドカップがスタートした。

 記念すべきファーストシーズンで、吉報が舞い込んできた。1月8日、ドイツのヒンターツァルテンで行なわれた第3戦で、中学3年生の高梨沙羅が100.5m、99.5mを飛び、2位となったのである。

 小学2年生のときにジャンプを始めた高梨は、中学1年生になると早くもシニアの大会に参加し、ジャンプ界では将来が楽しみな選手として期待されていた。

 大きな注目を集めることになったのは昨シーズンのことだ。'11年1月10日のHBC杯で、大倉山での女子の最長記録となる141mの大ジャンプを披露して優勝したのだ。その後も世界選手権に出場して6位入賞を果たすなど、逸材であることを知らしめた。

 日本女子代表チーフコーチの渡瀬弥太郎氏は、高梨のよさをこのように表現している。

「助走路でのバランスがよいので無駄がないですし、スピードに乗ることができる。だから飛距離も出る」

「助走の速度が出にくい」という体格面での不利を補う高い技術。

 151cm、43kgと、海外の選手と比較するとひときわ小柄な高梨は、助走の速度が出にくいため、ふつうなら不利だ。だがそれをものともしない技術を持ち合わせているということである。ワールドカップという各国の一線級がそろう舞台で表彰台に上ったということは、あらためて技術の高さを証明したと言える。

 渡瀬チーフコーチは、高梨のもうひとつの長所として、精神的な安定感を挙げている。同様の指摘をするのは渡瀬氏にかぎらない。自身、元ジャンプ選手で、高梨がジャンプを始めたときから指導してきた父の寛也氏は言う。

「昨シーズンから注目されるようになりましたが、今シーズンも、特にプレッシャーを感じることはないようなんです。あまり先を見るのではなく、目の前のことにしっかり取り組めているのではないでしょうか」

 シーズンを重ねていく中で、順調に活躍している姿を見ると、どうしても、2年後に迫ったソチ五輪のことを考えずにはいられない。

【次ページ】 日本ジャンプ界にとって16年ぶりの五輪メダルを狙う。

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