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サイドバックは日本で探せ。
そんな時代がやってくる?
~長友と内田が変えたもの~ 

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浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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posted2012/02/01 06:00

サイドバックは日本で探せ。そんな時代がやってくる?~長友と内田が変えたもの~<Number Web> photograph by AFLO

ACミランとのダービーでも、勝利に貢献した長友。今季は2得点3アシストと好調を維持

 先ごろ行なわれた高校選手権決勝でのことだ。四日市中央工の両サイドバックが、躊躇なく何度もオーバーラップする様子を見ていて、こちらまでワクワクした気分になった。あれほど攻撃参加できたら、さぞ楽しいだろうな、と。

 もはやサイドバックが守備の人でないことは、現代サッカーにおける常識。かつては軽視されることも多く、安全第一でDFラインから離れないサイドバックが少なくなかった高校サッカーでも、これだけ機能的に攻撃参加できるようになってきたことは、頼もしい限りだ。

 もちろん、サッカー自体の変質とともに、サイドバックの役割が変わったことは理由のひとつだろうが、分かりやすいアイコンの存在も見逃せない。長友佑都と内田篤人の活躍は、確実にサイドバックのイメージを変えている。

 昨年、柏の初優勝に大きく貢献し、J1のベストヤングプレーヤー賞に選ばれた酒井宏樹もサイドバック。彼は柏ユース時代に、当時の監督の勧めでMFから転向した選手だが、やはりというべきか、「最初は『えーっ、サイドバック?』って感じで、正直、チョー抵抗があった」のだそうだ。

MFばかりにタレントが偏る時代を経て、現在は人材が分散。

「でも、長友さんがイタリアで結果を出して、イメージが変わってきました」

 昨年のクラブワールドカップ。柏がサントスに敗れた準決勝後の記者会見で、話題は酒井に集まった。サントスのムリシー・ラマーリョ監督にとっても、ブラジル人記者にとっても、何度も冷や汗をかかされたこの右サイドバックが、最大のサプライズだったことは間違いない。酒井自身「もっと日本人の価値を上げていければいい」と話す。

 2列目のMFばかりにタレントが偏る時代を経て、現在の日本では人材が分散。サイドバックも、ずいぶんと層が厚くなった。勤勉でスピードとスタミナに優れる日本人の特徴を生かそうと思うなら、悪くない傾向である。

 サイドバックが欲しければ、日本へ行け。ヨーロッパにそんな時代がやってくるかもしれないなどと夢想しつつ、高校選手権の取材を終えると、新年早々、新たな海外移籍の報が伝わってきた。

 駒野友一、ベルギーのシントトロイデンへ。結果的に、この移籍は契約成立目前で破談となってしまったが、またひとり、日本のサイドバックが認められたことは間違いない。

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