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日本ハム監督に就任した、
栗山英樹が貫く“信念”。
~“魔術師”三原脩に近づけるか?~ 

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永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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posted2012/01/13 06:00

日本ハム監督に就任した、栗山英樹が貫く“信念”。~“魔術師”三原脩に近づけるか?~<Number Web> photograph by KYODO

秋季練習を見守る栗山新監督。沖縄キャンプでは、積極的に選手と対話する方針だという

 '12年はタイプの違う4人の新監督が誕生する。孫のような年齢の選手を見守る中日・高木守道、浪花節でチームを引っ張る横浜・中畑清、チーム事情を熟知した理論派の阪神・和田豊。そして、無縁の地、北海道にたった一人で飛び込んだ日本ハム・栗山英樹である。

 球団の方針もあり、腹心のコーチを帯同しない“単身赴任”。あるコーチは、「球団のやり方が徹底されているので不安はないが、監督がどんな野球をやりたいのかが見えてこないのが気掛かり」と打ち明ける。戦力面でも、日本ハムを取り巻く状況は決して甘いものではない。中5日でチームを支えてきたダルビッシュ有がポスティングシステムでメジャー行きを決めた。ここ数年間、勝敗差“10”に加えて、ローテーションを支えてきた存在を新たに作り上げるのは、至難の業である。武田勝(11勝)、ケッペル(14勝)、ウルフ(12勝)ら二桁勝利投手が生まれたのも、ダルが相手エースを抑えたからこそ。加えて、ローテ入りを期待していたドラフト1位の菅野智之が現時点では入団を拒否している。

斎藤佑樹や中田翔にかけた栗山流のアドバイス。

 厳しい状況でも栗山監督は明るく語る。

「プロにいる選手はそれなりの力があるからスカウトの目に留まった。少し発想を変えることで選手は大きく変化する。色メガネで見るのは嫌いなんだ」

 この考えは、敬愛する日本ハムの大先輩・三原脩が標榜した“個性を生かす超二流集団が勝負を制する”という理論と一致している。2年目の斎藤佑樹について「相手を抑える術と力はある。あとはそれを活かす体力が必要。ともかく走ってもらう」ときっぱり。4番候補の中田翔にしても、ただバットを振れとは言わない。「状況と場面を常に頭の中に入れておくように」と諭している。余分な技術論も時代錯誤の精神論も語らないのだ。

 背番号80は、ヤクルト時代の三原の番号にちなんでのこと。先入観を持たずに人を使った名采配に近づきたいという思いからだという。縁のなかった球団に単独で乗り込んだのは“先入観に踊らされずに監督ができる”適切な場所だったからかもしれない。三原は人当たりの良さの一方で、したたかさも持ち合わせていた。このことも理解したうえで、名将の名を出したならば、栗山の監督術でチームは大きく変貌するかもしれない。

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