日本代表、2010年への旅BACK NUMBER

岡田監督の秘蔵っ子、「ハマの番長」。
F・マリノス栗原勇蔵の代表復帰。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byToshiya Kondo

posted2010/04/05 10:30

岡田監督の秘蔵っ子、「ハマの番長」。F・マリノス栗原勇蔵の代表復帰。<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

F・マリノスの松田直樹から、その実力とメンタルの強さを高く評価されている栗原。周囲からは「第二の松田直樹」とも称されている

「ハマの番長」が世界を相手にケンカを仕掛ける!

 これまでのバックアップ候補に比べて栗原が有利なのは、中澤と長年マリノスでコンビを組んでいることだ。今のタイミングで招集されてもスムーズに適応できるだろう。セルビア戦は闘莉王が出場停止で欠場することもあり、中澤とのコンビでいきなり先発する可能性が高い。セットプレーにおける中村俊輔とのあうんの呼吸もプラス材料であり、セルビア戦で結果を残すことができれば“第3の男”の一番手に浮上してくる。今後逆に闘莉王がパートナーになっても、マリノスでは攻撃的リベロの松田直樹ともコンビを組んできたわけだから、これも問題ないはずだ。松田のようにチャンスとみるや果敢にオーバーラップして攻撃参加することもできれば、中澤のようにしつこく守り切ることもできる。パートナーによって自身の役割を変えられることは強みだろう。

 栗原のニックネームは「ハマの番長」。高校時代はケンカ三昧でボクシングジムから勧誘にくるほどの腕っぷしだった。岡田とマリノスで初対面したときには「お前、ケンカで負けたことないだろ?」と聞かれて「はい」と即答している。U-20代表時代のオーストラリア戦や、'04年に行なわれたセリエAレッジーナとの親善試合では乱闘寸前になったこともある。今となっては“若気の至り”だが、ナメられたら終わりという闘争心は彼のベースにある。世界相手に物怖じすることもあるまい。

 まずは指揮官・岡田武史とのタイマン勝負。厳しい視線を送る恩師を納得させるだけのプレーをしなければ、南アフリカの道はない。

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