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東洋、駒澤、早稲田が競る箱根駅伝。
“山の神”柏原は有終の美を飾れるか。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2012/01/01 08:02

東洋、駒澤、早稲田が競る箱根駅伝。“山の神”柏原は有終の美を飾れるか。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

昨年の往路優勝の時の柏原竜二。惜しくも復路で早大に負け、総合優勝をさらわれたが、大学最後の年となる今年にかける意気込みは尋常ではない

 柏原竜二、最後の箱根駅伝。

 2012年の箱根は、後々もそのことで記憶されることになるだろう。

「山の神」の存在だけでなく、田中貴章(前回、「やったぞ田中!」と柏原が叫んだ同級生)ら、着実な走りを見せる4年生がそろい、下級生にはスピードランナーがいる。出雲駅伝では初優勝も飾った。ふつうだったら、箱根も東洋大の圧勝だ。ところが――。

 駒大が強い。11月に行われた全日本大学駅伝では完勝、トラックのスピードをそのまま駅伝に移行させている。

 しかもチームの中心は2年生と3年生。もし駒大が今回優勝すると、「3連覇」が濃厚になってくる。東洋大・酒井俊幸監督は、

「今回、駒澤さんに勝たせるわけにはいきませんね」

 と一歩も譲らない構えを見せている。

 今回の箱根は、東洋大と駒大の2強対決が楽しみだ。

最大の見せ場、山登りの5区中継地点での「差」に注目。

 今回も最大の見せ場は5区、山登りになる。

 今季、駅伝シーズンに入ってからの柏原は出雲では精彩を欠いたものの、全日本大学駅伝ではアンカーとして見事な走りを見せ、駒大を追い上げた。本人は5区で「1時間16分台を狙う」と公言しており、実現の可能性は高いだろう。

 他校の5区を走るランナーは、1時間20分台で走れれば十分に力を発揮したと言えるから(1時間19分台だったら万々歳だろう)、柏原ひとりで3分半から4分のアドバンテージを作ることができる。

 駒大としては、前回の早大のように柏原が見える位置で往路はゴールしたい。そうなると5区にタスキをつなぐ時点で、2分から3分のアドバンテージが欲しいところだ。

 駒大の大八木監督は復路に絶対的な自信を持っており、6区には前回区間賞を獲得した千葉健太(3年)、そしてエースの窪田忍(2年)を復路に温存するプランを持っているはずだ。

 往路で1分負けても、大丈夫。ひょっとしたら2分でもひっくり返せると考えているのではないか。

 5区にタスキが渡った時点で駒大と東洋大の差がどれくらいなのかが、勝敗を大きく左右することになるだろう。

【次ページ】 4区終了時点で東洋大が駒大に先行していれば……。

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