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<マラソン> 10.30“大阪マラソン”をランニング初心者が走ってみた。(後編) 

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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photograph bySports Graphic Number

posted2012/01/08 08:00

<マラソン> 10.30“大阪マラソン”をランニング初心者が走ってみた。(後編)<Number Web> photograph by Sports Graphic Number
無謀にもフルマラソンに挑戦したランニング超初心者である吉崎氏。
前回はスタート1時間半でまだ10km。制限時間内にゴール出来るのか?
各関門には制限時間が設けられている。間に合わなければ即ゲームオーバーだ

 まさかの尿意、そして歩きながらの携帯でのラジオ出演を経て、オレはようやく走りに集中しはじめた。スタートからすでに1時間半が経っていた。

 中之島から、颯爽と飛ばした。給水所でボランティアの女子に「オレ、今から優勝するから」と話しかけたら、そこそこウケた。13kmあたりでは、ある横断幕にテンションが上がりまくった。

「頑張れ英ちゃん」

 持ち主に話しかけた。オレも、英ちゃんなんすよと。相手はキョトンとしていた。じつはそれ「ヒデちゃん」で、気まずくて言い返せなかったのかもしらん。

 御堂筋に戻り、千日前通りを右に曲がる。18km前後でペースが落ち、やがて歩いた。それまでも感じていた膝の痛みに耐えられなくなったのだ。心理的理由が大きかったんだろう。この付近では街頭応援との距離が離れ、かつ個人的に馴染みのない風景を走ることに。すると驚くほどにテンションが下がった。本番前は「プレッシャーだろ」と想像していた応援が、心の支えになっていたのだ。

「オレは今、自分の限界を超えている」と考えると、涙が出た。

 それでも元カノとのデート地点京セラドーム前で再びテンションが上がり、ペースを取り戻す。21km地点を過ぎると、「あと半分やないか」と思えた。すぐに練習での最長到達点、25kmも超えられた。

 ここから、スピリチュアルな世界へと突入していく。「オレは今、自分の限界を超えている」と考えると、涙が出た。なぜか去年亡くなった叔父を思い出し、また泣いた。ごめん、ごめん、結婚した姿を見せられなくてごめんねと。

 27km前後では、練習でも未経験の「キロ5分台」という奇跡的なタイムを叩き出した。原動力は「怒り」だった。

「こんなに大勢の人が応援してくれているのに、なぜ、オレだけを応援してくれる嫁、家族、もしくは彼女がいない?」

 この点に、急に腹が立ってきたのだ。

「英ちゃん横断幕」が伏線だったんだろう。制御不能の情緒不安定暴走状態だった。

 飛ばしすぎて、30km前後で、パタリと足が止まった。32kmまで歩いた。しかしここでまたメンタル的に持ち返す。砂田師匠の教えを思い出したからだ。

「ぶっちゃけ、25kmは歩いたって、制限時間内にはゴールできますから」

【次ページ】 練習では25kmが限界だったのになぜ完走できたのか。

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