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開幕戦から“らしさ”を発揮した
2人の元王者。
~アロンソとシューマッハーの明暗~ 

text by

今宮純

今宮純Jun Imamiya

PROFILE

photograph byHiroshi Kaneko

posted2010/04/01 06:00

復帰戦6位の結果にも、上位争いに加わっていくと自信をのぞかせたM・シューマッハー

復帰戦6位の結果にも、上位争いに加わっていくと自信をのぞかせたM・シューマッハー

 開幕戦バーレーンGPでは、今シーズン注目の2人、F・アロンソとM・シューマッハーそれぞれの持ち味が存分に出ていた。

 移籍後初勝利をフェラーリチーム80回目となるワンツーで飾ったアロンソ。自身通算22勝目は歴代ドライバー10位タイの記録となったばかりか、昨年不振に陥った名門に光明をもたらした。首位を走るS・ベッテルをじわじわと追いつめていき、トラブルを誘って逆転勝利を決めた彼は、表彰台で自己満足に浸ることなく、「みんなの力だ」とスタッフひとりひとりを台上から称えた。わずか1戦にしてチームのエースとしての立場を確立してみせた。

 一方、6位に終わったシューマッハーは、フリー走行、予選、決勝すべてでチームメイトであるN・ロズベルグの後塵を拝したが、レース内容に彼らしさが見てとれた。3年間のブランクを徐々に取り戻したレース終盤、ラップタイムをきれいに揃え、45周目でロズベルグと同時に自己最速タイム2分0秒204をマーク。わずか0.032秒差だがロズベルグに速さで勝った。ラスト4周の時点で自己ベストが出たのは、彼のドライビングリズムがアップテンポに高まり、フィジカル、メンタル両面における実戦能力が十分にあったという証明だ。復帰第1戦で見せた粘り強さは、レース勘はまだ衰えていないと感じさせるものだった。第3戦マレーシアGPあたりで完全復調が期待できそうである。

フェラーリを筆頭とする“トップ4”の強さは予想通り。

 新ポイント制では10位のR・バリチェロまでが入賞となり、コンストラクターズポイントはフェラーリが“満点”となる43点を獲得。以下、マクラーレン21点、メルセデスGP18点、レッドブル16点、フォースインディア2点、ウイリアムズ1点と続いた。シーズン序盤は、よほどレースが荒れない限り、上位4チームで構成される第1集団に加わっていけるチームはなさそうだ。初戦では浮上できたフォースインディアとウイリアムズも、実力的にはルノーやザウバーと横並びにある。むしろ第2集団内の争いに勝つことがより重要だ。

「自分たちのターゲットをしっかりと見据えた戦い方」。これがトップ4から新興3チームまでに共通する、今年の序盤戦を乗り切るテーマではないだろうか。

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