SCORE CARDBACK NUMBER

三宅宏実、五輪内定で
焦点となる「階級選び」。
~ウエイトリフティング女子代表~ 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

photograph byKYODO

posted2011/12/05 06:00

協会の規定で代表内定後でも階級変更が可能になり、2階級両にらみで北京の雪辱を期す

協会の規定で代表内定後でも階級変更が可能になり、2階級両にらみで北京の雪辱を期す

 11月5~13日にパリで開催されていたウエイトリフティングの世界選手権を経て、三宅宏実がロンドン五輪の代表の内定を得た。

 日本ウエイトリフティング協会は、今大会でロンドン五輪の日本女子の出場枠を3つ以上確保した場合、昨年と今年の世界選手権の成績から1名を内定とするとしていた。53kg級で出場した三宅は、昨年は5位、今年は6位とただ一人入賞したことから選ばれた。ロンドン五輪は3度目のオリンピックとなる。

 初めて出場した2004年のアテネ五輪48kg級で9位だった三宅は、続く北京五輪の同階級に、メダル獲得を目標に掲げて出場した。だが、自己記録を下回り、6位入賞にとどまった。北京五輪シーズンでの引退も考えていたが、納得のいかない成績に「とにかく悔しかったです」と、現役続行を決意。そして、ロンドン五輪を集大成の場と位置づけ、取り組んできた。

故障のリスクの低い53kg級か、相手に恵まれた48kg級か。

 メダル獲得のためにまず考えたのが、パワーの向上だった。そのため、減量を気にせずにすむ53kg級にいったん階級を上げて、筋力をつけることを優先してきた。さらに、やや苦手だったスナッチのフォームもビデオ解析などで徹底的に見直した。今冬の沖縄合宿では、北京五輪の韓国代表コーチの指導のもと、フォームの再確認と体幹強化にも取り組んだ。

 若い選手の台頭も「まだ負けたくはないですね」と刺激になり、53kg級でも'09年から毎年、日本記録を更新。今年6月の全日本選手権では自身の持つ日本記録を7kgも上回るトータル207kgをあげた。今年の世界選手権こそ、大会前、股関節痛に苦しめられたことからトータル203kgにとどまったが、53kg級でも上位を狙えるまでに成長した。

 こうしてロンドンに挑むことになる三宅だが、48、53kgのどちらの階級で臨むかはまだ決めていない。

 53kg級で戦ってきて分かったことは、減量しないと股関節痛が比較的出にくいということだ。その点を重視すれば53kg級という手もあるが、この階級は海外勢の層が厚い。勝負しやすいのは48kg級だが、故障のリスクが高くなる。

 地力は北京五輪時より確実についた今、どのような戦略を描いていくか。悲願のメダル獲得のためのポイントとなる。

■関連コラム ► 近づいてきた“世界”。~ロンドン五輪で有利な種目とは~
► 【スポーツ名言】 1本目は父、2本目は家族や応援してくれた人、3本目は国のために。 (三宅宏実)

ページトップ