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速いホンダが引き出した、
新王者の圧倒的な才能。
~ストーナーの時代が続くのか?~ 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2011/12/01 06:01

速いホンダが引き出した、新王者の圧倒的な才能。~ストーナーの時代が続くのか?~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

最終戦でも勝利を収めたストーナー。ロッシの“絶対王者”の称号を遂に奪いとれるのか

 シーズン終盤の第16戦オーストラリアGPでタイトルを決めたC・ストーナーが、第18戦バレンシアGPでシーズン12回目のPPと10勝目を達成。16回目の表彰台に立って1年を締めくくった。12回のPPと16回の表彰台はともにシーズン最多タイ記録であり、ストーナーは自分が速くて強いチャンピオンだと見事に証明したことになる。

 最終戦バレンシアGPは、週末を通して不安定な天候となったが、ドライでもウエットでもライバルを圧倒したストーナーの走りは、ウイークポイントの見あたらない今年の強さを象徴していた。

 モトGPクラスは、ブリヂストンタイヤのワンメイクとなって3年目のシーズンを終えた。使えるエンジンもシーズン6基。加えてシーズン中のテストはほとんど出来ず、シーズンオフのテストもわずか9日間という、コスト削減と緊縮財政ルールが実施されている。そのため、シーズン中にハード面で巻き返すのは厳しく、ベースマシンの出来不出来がそのままリザルトに反映される。

かつては「速いけれど良く転ぶ」と言われたストーナーだが……。

 今年は、シーズンオフのテストでストーナーが驚異的な速さを見せた。「乗りやすくて速い」ホンダRC212Vで快進撃を続けて、ホンダ勢のレベルを一気に引き上げた。ディフェンディングチャンピオンのJ・ロレンソが、「ホンダは速くなっている。速いライダーが速いマシンに乗れば、あたりまえだけど、打ち負かすのは難しい」と語っていたが、その通りのシーズンになってしまった。

 タイヤがワンメイクになってから'09年と'10年を制したヤマハは、タイヤのパフォーマンスに合ったバイク作りでライバルを圧倒した。しかし、エンジンにアドバンテージのあるホンダがタイヤの性能を引き出してしまえば、より強いバイクを作れるのは当然である。それを証明したストーナーが、ホンダのパフォーマンスに磨きを掛けることになった。

 ドゥカティ時代のストーナーは「速いけれど良く転ぶ」という評価だった。その原因がライダーにあるのかマシンにあるのか分からなかったが、完成度の高いホンダが、ストーナーの力を存分に引き出したことは間違いない。速いライダーが速いマシンでチャンピオンを獲得したシーズン。当分、ストーナーの時代が続くのかも知れない。

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