日本代表、2010年への旅BACK NUMBER

セルビア戦で世間を味方にできる?
今こそ岡田監督は新メッセージを! 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph byToshiya Kondo

posted2010/03/28 08:00

セルビア戦で世間を味方にできる?今こそ岡田監督は新メッセージを!<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

セルビア戦では「今のJのプレーぶりを見て、これから代表が戦うW杯で、必要になる選手。あんまり僕が“つかんでいない”選手を呼びたいし、使いたい」と語っている岡田武史監督

 南アフリカW杯まであと3カ月を切り、国内ではセルビア戦(4月7日、長居スタジアム)、韓国戦(5月24日、埼玉スタジアム)の2試合を残すのみとなった。

 W杯イヤーに入ってここまで5試合を消化した岡田ジャパンだが、1試合平均の観客動員数は約3万人と今ひとつ盛り上がりに欠けてきた。しかしながら関西圏のファンが最後に岡田ジャパンを応援する場となるセルビア戦のチケットは予想以上に売れている。17日現在で4万枚を突破し、残数は8000枚を切った。試合まで日数があることから、今年最多の観客動員数を記録することはまず間違いないだろう。

 岡田ジャパンのこれまでの経緯を考えてみれば、セルビア戦が“満杯”になるとは想像しづらかった。

 今年2月の東アジア選手権では失望の意がこめられたブーイングが吹き荒れていた。「不支持」の声が高まっていた岡田武史監督の続投を協会トップがいち早く表明したことで、世間の雰囲気が何やら冷めたものになった。盛り上がろうにも盛り上がれない――。ファンの間からそのような声が聞こえてきそうだった。

セルビア戦はW杯への期待感を高める絶好の機会となる。

 だが“岡田ジャパン離れ”は不思議と加速しなかった。先のバーレーン戦では3万8000の観衆が豊田スタジアムに集まり、2-0で勝利するとブーイングは止まった。そして今回のセルビア戦では5万人近い観衆が詰め掛ける可能性が高い。肯定的に解釈するならば「もうここまで来たら岡田ジャパンを応援するしかない」と多くのサポーターやファンが腹をくくったように思うこともできる。

 セルビア戦は岡田ジャパンにとってW杯直前の絶好機に「12番目の選手」と一体になれる千載一遇のチャンスだと言える。サポーター、ファンの積極的な支持をここで取り付けておけば、必ずや岡田ジャパンの大きな力となる。

 日本代表はこれまでもサポーターやファンの後押しをプラスアルファの力に変えてきた歴史がある。自国開催の日韓W杯でグループリーグを突破して決勝トーナメントに進めたことと、サポーターやファンの力は決して無関係ではない。02年の日韓W杯を経験した岡田ジャパンのあるメンバーは、その効果をこう話している。

「やっぱり2002年のときは日本中が応援してくれて背中を押されたというか、(サポーターやファンが)僕らに与えてくれた力はものすごく大きいものだった」

 観客動員数は日本代表に対する世間の関心度を示す指標のひとつ。プレイヤーたちは埋めつくされたスタンドを目に焼き付けることによって世間の期待度の高さを知り、その期待をプラスアルファの力にしてアウェーの舞台でも日本代表の誇りにかけて戦うことができるというものだ。

 それゆえこのセルビア戦は、本大会に向けた準備をする一方、単なる強化試合で済ませてはいけない。日本列島の関心をW杯に強引に振り向かせる意味でも、ファンやサポーターにW杯でも戦えるという期待感を与える必要がある。世間の期待をここで高めることができれば、それを力に変えて南アフリカに飛ぶことができる。

【次ページ】 何もしなくても日本代表がもてはやされる時代の終焉。

<< BACK 1 2 NEXT >>
1/2ページ
関連キーワード
岡田武史
南アフリカW杯

ページトップ