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ドバイWC前哨戦に勝利、
注目のレッドディザイア。
~ウオッカに代わる新女王へ~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

photograph byYoko Kunihiro

posted2010/03/26 06:00

1着賞金が5億4000万円と世界最高額のドバイWCは、27日にメイダン競馬場で開催

1着賞金が5億4000万円と世界最高額のドバイWCは、27日にメイダン競馬場で開催

 年度代表馬の栄誉に2年連続で輝いたウオッカが見せ場もなく馬群に沈んでいく悲しい光景を見送った直後、大外から目にも鮮やかな赤い勝負服を躍らせながら、一気に伸びてきたのが秋華賞馬レッドディザイア(牝4歳、栗東・松永幹夫厩舎)だ。レース前はウオッカの“付き人”程度の認識でしかなかったこの馬が、その僅か2分後には世界屈指の牝馬としてにわかに脚光を浴びた。

 それもそのはず。殊勲の星をかちとったレースは、ドバイワールドカップ(3月27日、アラブ首長国連邦ドバイ、メイダン競馬場、オールウェザー2000m、GI)のいくつかあるステップレースの中で最も重要な位置づけをされていた、アル・マクトゥームチャレンジ・ラウンドIII(メイダン競馬場、オールウェザー2000m、GII)という大一番だったからだ。当然ながら相手は超強力。2着に逃げ粘ったグロリアデカンペオンは昨年のドバイWCの2着馬で、1月に行なわれたアル・マクトゥームチャレンジ・ラウンドIを制した勢いのある馬だったし、4着のアリーバーは同ラウンドIIを勝ち上がってきていた。7着に敗れたキャバルリーマンは凱旋門賞を3着した有名強豪で、ブックメーカーのオッズ(ドバイでは宗教上の理由で馬券の発売がない)では断然の1番人気に支持された存在。ウオッカでも勝つのは難しいと言われたメンバーだったわけで、まさにただごとではない勝利だったのだ。

1着賞金は5億4000万円! 世界一のレースでの勝機は十分。

 当初は、2番目の格のドバイ・シーマクラシック(メイダン競馬場、芝2410m、GI)に駒を進めるはずだったが、オールウェザー馬場で世界トップのパフォーマンスを演じたからには、あえて芝のレースに行く理由がなくなった。数日して、この日のレースと同じ馬場、同じ距離で争われるドバイワールドカップに参戦が決まったのも当然の成り行きと言えるだろう。勝負だけに甘くはないが、世界一のレースに日本馬が勝機十分の形で臨めることだけでも大いに喜びたい。

 鞍上はおなじみのオリビエ・ペリエだったが、55キロで乗れず55.5のオーバーウェイトだったことが関係者間で話題を集めた。ひょんなことで減量苦が明らかになったわけで、日本に来なくなった理由が見えてしまった。本番はスミヨン騎手に乗り替わることも発表された。

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