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今は悩むべきとき?
石川遼を見て思うこと。
~ジャンボ尾崎が残した教訓~ 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

PROFILE

photograph byTaku Miyamoto

posted2011/11/17 06:01

今季は国内ツアーで2位3回も、優勝はなし。予選落ちは過去3年最多の4回(11月17日時点)

今季は国内ツアーで2位3回も、優勝はなし。予選落ちは過去3年最多の4回(11月17日時点)

 賞金ランク2位につけながら、いまだ勝利なし(11月17日時点)。10代で賞金王を獲得し、数々の記録を塗り替えてきた石川遼にしてみれば、今シーズンの成績は決して満足のいくものではないだろう。

 以前のコラムでも書いたが、今年の5月、石川は「いま思うと、自分はプロデビューしてから階段を一段どころか、数段飛ばしてきてしまったように思う」と告白している。

 つまり、本来の実力よりも、成績が先に行ってしまっている感覚をいだいていたのだ。それは、焦りにも見えたし、ある意味では的確な自己分析ができていたと捉えることもできる。ただ僕は、彼の言葉を聞いたとき、しばらくは苦しむかもしれないなと感じた。

 石川の言葉を借りれば、今の状態は「テストの問題文が読めない、読めても解けない」ということになる。若さと勢いで階段を数段とばしでかけあがってきた自分がいる一方で、後ろを振り返ってみると一段一段の足跡が残せていない自分に気がつく。さらに上を見ると、クリアしなければならない課題が山積しているという現実。20歳になった石川は、やらなければいけないと思うことが多すぎるあまり、消化不良を起こしかけているのではないだろうか。

「若さの勢いで怖さ知らずのゴルフは長続きしない」(ジャンボ尾崎)

 ジャンボ尾崎が絶好調のときに「優勝したら、次の優勝までに新しい課題をひとつクリアしなければ勝てない」と語ったことがある。それは、勝利には運不運がつきもので、不確実な要素を減らすには、ラッキーに頼らず確かな技術でクリアしたいということだ。さらに、他の選手が持っていて自分が持っていない技術も欲しくなる。

「若さの勢いでバンバンと怖さ知らずのゴルフは長続きしない。特に世界のメジャーで戦うとね。それが解ると悩みの時期に入るんだよ」とジャンボは言う。

 無免許運転、ガールフレンドの報道など今シーズンの石川遼は、ゴルフ以外の雑念まで加わった。でも僕は、いまはもっと格闘、苦悩していいと思う。20歳の失敗は、挫折ではないのだ。

 悩んだ末に自分にいま必要な課題を絞り込む。あれもこれも求めすぎて消化不良を起こさずに取り組むことが、苦悩からの出口になるはずだ。

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