NumberEYESBACK NUMBER

箱根の覇者を目指して
競り合う「3強」の実力。
~今季の大学駅伝を展望する~ 

text by

生島淳

生島淳Jun Ikushima

PROFILE

photograph byWataru Ninomiya/PHOTO KISHIMOTO

posted2011/11/05 08:00

箱根の覇者を目指して競り合う「3強」の実力。~今季の大学駅伝を展望する~<Number Web> photograph by Wataru Ninomiya/PHOTO KISHIMOTO

出雲駅伝では東洋大が3、4、5区で区間賞を獲得し初優勝を果たした

 いよいよ大学駅伝の季節がやってきた。今季は「3強」対決から目が離せない。

 前年に出雲、全日本、箱根の駅伝3冠を達成し、主力が残った早大。「山の神」柏原竜二が主将となり、上級生の充実が目立つ東洋大。そして1万mでは28分台の記録を持つ選手が6人、圧倒的なスピードを誇る駒大の3校の力が抜きん出ている。

 直接対決第一弾は10月10日に行なわれた出雲駅伝。早大が先手を取るも後半で失速し3位。4区で逆転した東洋大が初優勝し、1区で13位と出遅れた駒大は2位まで盛り返した。この結果をどう読み解くか。

 まず、東洋大には3冠達成の可能性も出てきた。もともと東洋大はスピードよりも耐久性を重視する「粘り系」。距離が延びれば延びるほど力を発揮するタイプのランナーが多く、距離の短い出雲は3大駅伝のなかではもっとも不得手なはずなのに、スピードレースを制したのだ。

軽視しがちな「つなぎ区間」を走る選手の育成に長ける東洋大。

 一般的には「柏原のチーム」と見られがちだが、ひとりで勝てるほど駅伝は甘くない。実際、出雲でも柏原の出遅れを川上遼平、田中貴章の4年生に加え、双子の設楽兄弟がカバーして優勝をたぐり寄せた。

 東洋大は他校が軽視しがちな「つなぎ区間」を走る選手の育成に長けており、主力級に故障がなければ箱根で優勝争いに加わるのは間違いない。3分差をひっくり返せる山の神という飛び道具もある。

 対抗、というよりは東洋大と互角の実力を持つのが駒大だ。出雲の2位は「取りこぼし」と見るべきだ。誤算は1区で期待のルーキー、村山謙太が先頭から1分6秒遅れたこと。「あそこで我慢して30秒以内で2区につないでいれば……」と大八木弘明監督は悔しそうな表情を浮かべたが、2位まで挽回したことで「負けてなお強し」と実力を印象づけた。

 特に、出雲の6区で学生最高級の力を持つ村澤明伸(東海大)を抑えて区間賞を獲得した窪田忍、1万mの駒大記録を更新した油布郁人(ともに2年)には爆発力があり、遅れを一気に取り戻せる力がある。

【次ページ】 実力は伯仲。故障者を出した大学が負けるサバイバル戦。

<< BACK 1 2 NEXT >>
1/2ページ
関連キーワード
柏原竜二
大八木弘明
渡辺康幸
東洋大学
駒澤大学
早稲田大学
RUN特集

ページトップ