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監督、GM電撃退任で、
Rソックス帝国崩壊か?
~チーム内に響く不協和音の正体~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2011/11/04 06:00

監督、GM電撃退任で、Rソックス帝国崩壊か?~チーム内に響く不協和音の正体~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

2004年に監督就任、8年でWシリーズ制覇2回、プレーオフ進出5回を果たしたフランコーナ

 名門レッドソックスのエプスタインGMが退団し、カブスのGMに就任することが決まった。公式戦直後に辞任したフランコーナ監督に続く球団トップの電撃退任は、ボストンだけでなく、球界全体にも大きな波紋を広げた。ワイルドカード争いで最大9ゲーム差をつけながら、大詰めの9月に7勝20敗と失速。プレーオフ進出を逃したことで球団内部に燻っていた問題が一気に噴出したのだ。

 来季の球団オプション(契約更新)を受け入れなかったフランコーナの意思表明が、何よりも象徴的だった。「これまで頼りにしていたが、もう終わりにした方がいいと思った」。レッドソックスの監督といえば、米球界ではヤンキースの監督と並ぶ「ドリーム・ジョブ(憧れの仕事)」。約4億円もの年俸をなげうってまで現職を離れるには、それだけの理由があったことは想像に難くない。

選手間で根強かった治療システムに対する不信感。

 その後、ベケット、レスター、ラッキーの先発投手陣が、登板予定のない試合中にクラブハウス内でビールを飲みながら、テレビゲームなどで遊んでいた事実が発覚。これまでマスコミに漏れることのなかった内部情報が意図的にリークされたもので、チーム内に不協和音が響いていた事実は明白だった。

 故障者が続出したことも失速した大きな理由のひとつだった。昨季からペドロイア、エルズベリーら故障者が復帰直後に再離脱するなど、担当医を含む治療システムに対する不信感が、選手間で根強かった。今季序盤から右ヒジに違和感を訴えていたラッキーは、本格治療することなく投げ続けた結果、自己ワーストの防御率6.41。早期復帰を見込まれていたバックホルツも、最終戦に間に合うことなくシーズンを終えた。

 86年ぶりに世界一となった'04年以降、本拠地を中心とした地域は「レッドソックス・ネーション(帝国)」と呼ばれ、絶大な人気を誇ってきた。だが、メジャーでも最も全体練習の時間が短く、個々の能力と豪快さで勝ってきた体質は依然として変わっていない。今オフには、FAとなる主砲オルティスの移籍も噂されるなど、その牙城は揺らぎ始めた。

 今回の首脳陣の相次ぐ退団が、帝国崩壊の始まりなのか。今後、人事が刷新されたとしても、体質改善、再建への道程が険しいことは言うまでもない。

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