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去りゆく世界の背中。
~落日の日本男子マラソン~ 

text by

小川勝

小川勝Masaru Ogawa

PROFILE

photograph byBongarts/Getty Images

posted2011/11/08 06:01

去りゆく世界の背中。~落日の日本男子マラソン~<Number Web> photograph by Bongarts/Getty Images

9月25日のベルリン・マラソン、2時間3分38秒の世界新記録での優勝を喜ぶパトリック・マカウ(ケニア)。2008年の同マラソンでハイレ・ゲブレシラシエ(エチオピア)が樹立していた2時間3分59秒を21秒も上回った

 日本ではあまり大きく報道されなかったが、9月25日のベルリンマラソンで、注目すべき世界記録が出た。26歳のパトリック・マカウ(ケニア)が、従来の記録を21秒更新する2時間3分38秒をマークしたのである。

 従来の記録は、トラックの王者からマラソンに転向した「皇帝」ハイレ・ゲブレシラシエ(エチオピア)が'08年に出した2時間3分59秒。これはゲブレシラシエが35歳の時に出した人類初の2時間3分台の記録で、20代で1万mの世界記録を何度も更新した円熟のランナーによるこの大記録は、そう簡単には破られないのではないか、と思われた。

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