球道雑記BACK NUMBER

日本一から最下位へ……。
千葉ロッテ“お家騒動”の行方。 

text by

永田遼太郎

永田遼太郎Ryotaro Nagata

PROFILE

photograph byHideki Sugiyama

posted2011/10/27 10:30

日本一から最下位へ……。千葉ロッテ“お家騒動”の行方。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

今シーズンを最下位で終えた西村徳文監督は「(成績不振の理由を問われ)この部門というのはない。すべてにもう1回、反省してやらないといけない」とコメント

サブローの呼び戻しをオーナー代行は示唆するが……。

 9月18日には瀬戸山隆三球団社長と石川晃球団運営本部長の退任を発表したが、その退任騒動がチームの成績に影響を与えたように、9月は5勝18敗1分、10月も4勝8敗3分とCS争いから急降下。現場にはなんとも重い空気が漂っていた。

「去年(日本一)のメンバーがあまり残っていない異常な状況」

 ロッテ重光昭夫オーナー代行は、両氏の解任発表後、チームの編成部門を痛烈に批判した。

 さらに6月に巨人へトレード移籍したサブローについても言及し、

「編成から強い要望があったが今思うと間違いだった」

 と、呼び戻しを示唆。しかし、これで本当にチームの問題が解決するかといえば疑問が残る。

ベテラン選手の相次ぐ放出の裏には赤字削減の大号令が。

 そもそもサブロー放出の舞台裏にはチームの赤字削減の大号令があったとも伝えられている。

 近年、千葉ロッテから他球団に放出された主なリストを並べてみよう。

'08年 小林雅英(→メジャー)/藤田宗一(→巨人)
'09年 久保康友(→阪神)
'10年 清水直行、橋本将、早川大輔(→横浜)
'11年 小林宏(→阪神)/サブロー(→巨人)/西岡剛(→メジャー)

 この他にもベテランの堀幸一と大塚明がこの間に現役を引退、そうした傾向から見ても赤字削減による主力選手の放出は明らかで、これをサブロー放出に端を発する編成の不手際で終わらせるにはあまりにも短絡過ぎるのではないか。

 さらに今月22日になって、チームは金森栄治1軍打撃コーチ、髙橋慶彦2軍監督、西本聖2軍投手コーチの配置転換を示唆したが、この三者とて一時は来季の契約を更新しないと一部報道で伝えられるなど現場は混乱。まずはこれらの問題を収束させ、現場の情報をひとつにまとめないと、選手たちは戸惑うばかりだ。

【次ページ】 補強か、育成か──ロッテがとるべき再建策とは?

BACK 1 2 3 NEXT
西村徳文
千葉ロッテマリーンズ

プロ野球の前後の記事

ページトップ