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カレンダーで日々、
カズ語録を堪能する。
~名言と写真の“開運グッズ”~ 

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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posted2011/10/25 06:00

カレンダーで日々、カズ語録を堪能する。~名言と写真の“開運グッズ”~<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『日めくり KAZU 魂のメッセージ 底力』 三浦知良著 PHP研究所 1000円+税

31個のフレーズは“ド根性系”のオンパレード。

 アラフォー世代あたりなら、カズの発言時期から自分の当時の姿を重ねたりするもよしだ。

「道がないわけではない」('98年フランスワールドカップのメンバーを外れた後、帰国直後の発言から)

 若い世代向けにぴったりの言葉も。

「夢は語ったほうがいい いわなきゃ始まらない」(2002年5月、Jリーグ発足時の自らの発言を思い出して)

 じつのところ、これらと同じく収録された31個のフレーズは“ド根性系”、あるいは“演歌調”のオンパレードだ。

「とにかく今日を一生懸命精一杯やる」

「人生には山も谷もある 谷をも楽しんでいたい」などなど。

なぜカズの言葉は説教じみることなく、ヴィヴィッドに伝わるのか?

 そもそもはカズという選手、ヴェルディ在籍時は「Jリーグバブル期のジャンジャンギラギラ系」の象徴だったはず。いっぽうで、ワールドカップ出場を逃すなどの苦汁を味わってきた。光と影が入り混じるキャリアに「ブラジルの教え」のエキスが加わっている。だからこそ、その言葉が説教じみることなく、ヴィヴィッドに伝わってくるのだろう。

 良い時も悪い時も自分の評価は監督、メディア、サポーターなど周囲が決めてきた。だから自分は準備に全力を懸けるしかない。そんな立場を受け入れ、30年近く戦う強みも、収録された言葉から感じ取れた。

 ちなみに、現在37歳の本稿筆者の一番のお気に入りはこれです。

「無理をしないと無理ができなくなる」(2007年12月、シーズンを振り返って)

 自分もカズほどに必死にやってるか? そう自問しつつ、今日もがんばります。

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三浦知良

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