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ロックアウト継続に伴い、
欧州に向かうスターたち。
~NBA開幕延期で喜ぶのは?~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byNBAE/Getty Images

posted2011/10/13 06:00

トルコで早くも公式戦に出場した名PGのウィリアムス。ネッツに戻る日はいつになるか

トルコで早くも公式戦に出場した名PGのウィリアムス。ネッツに戻る日はいつになるか

 この夏、デロン・ウィリアムスがトルコのチーム、ベシクタシュと契約したニュースはNBA関係者に衝撃を与えた。アメリカ人スーパースターが、27歳の最盛期にヨーロッパでプレーするだけでも珍しいことなのだが、衝撃を与えた理由はそれだけではない。

 ウィリアムスは現在NBAのニュージャージー・ネッツとの契約下にあり、2年3400万ドルの契約を残しているのだ。本来は他のチームと契約できるはずはないのだが、それでもベシクタシュと契約できたのはNBAのロックアウト中に限定された特別な契約で、ロックアウトが解除されたらネッツに戻るという条件付きだったからだ。

 本コラムでも何度か書いているように、NBAは新労使協定を巡ってオーナー側と選手側が対立して7月からロックアウトに突入。交渉は難航し、10月10日には、開幕予定だった11月1日から14日まで2週間の公式戦、100試合を中止することが発表になった。

 ロックアウトで施設が使えなくなった選手たちは、NBAの試合を戦えないだけでなく、チームが保有する練習場に立ち入ることもできない。行き場を失った選手たちは、自主練習する場を求めて高校やYMCAの体育館などを転々としている。

開幕延期が決まり、海外の契約先探しを始めた代理人たち。

 そんな中で、ウィリアムスは誰よりも早くに海外への一時移籍を決断した。

「みんながプレーできない間に、自分はバスケットボールをすることができる。しかも知らない文化を見ることもできる」と、ベシクタシュ行きを決めた理由を語る。当初、契約を認めないと思われていたFIBAも、ロックアウト解除時に元のNBAチームに戻ることを条件に契約を承認した。ウィリアムスは9月上旬にトルコに渡り、チームに合流。すでにヨーロッパ各地で行なわれる試合に出場している。

 今はまだ、ウィリアムスの後に続いてロックアウト限定の契約を交わすNBAスーパースターは少ない。しかし正式にNBA開幕が延期されたことで、代理人たちは海外の契約先探しに本腰を入れ始めており、一時的にヨーロッパにプレーの場を求めるスーパースターも出てくるだろう。特にヨーロッパ出身の選手ならビザ取得等の障害もない。現に、パウとマークのガソル兄弟は母国スペインのバルセロナで練習に参加しており、ロックアウトが長引いた場合には契約も視野に入れているという。

 NBAファン目線では誰も得をしないロックアウト。このままだと喜ぶのはヨーロッパのファンばかり、となりそうだ。

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