ボール支配率71.7%、シュート本数39対1――。90分間、攻め通して8ゴールを奪った。スコアが2ケタにのぼっても何ら不思議ではなかった。
近年、日本代表の試合でここまで圧倒した試合を見たことがない。しかし、守ると言っても単に中央を固めるだけで、プレスをかけることもないタジキスタンの脆弱ぶりだけを大勝の要因として片付けてしまうつもりはない。相手は既に2連敗している明らかな格下とはいっても、2試合とも0-1のロースコアで乗り切ってきたチームである。タジキスタンが早々に臆病風に吹かれてしまう攻撃を、日本がひたむきに忠実に展開したゆえの結果ではなかったか。
「結果と内容の両方がついてきた試合だったと思う。不安に思っていたのは試合の入り方、アプローチだったが、選手たちは90分間最後まで集中してプレーしてくれた。オフ・ザ・ボールの動きが非常によかったと感じている」
アルベルト・ザッケローニは試合後の会見で開口一番、選手たちの奮闘を称えた。実に満足そうな表情を浮かべていた。
ザックはサイドを突破口とするためにマイクを初先発させた。
日本は従来の4-2-3-1システムに戻し、予想どおり中村憲剛をトップ下に置いてきた。意外だったのはレギュラーの李忠成を外し、ベトナム戦で起用しなかった194cmのハーフナー・マイクを1トップで初先発させたこと。指揮官は「サイドからのクロスを無駄にすることなく、有効活用するために決断した」と起用した理由を会見で語っている。
マイクの高さをどう活かそうとしたのか。
指揮官は中を固めてくる相手に、サイドを突破口とした。
サイドハーフの岡崎慎司、香川真司が高いポジションを取り、サイドを押し込むために4-2-1-3の形になっていた。岡崎は指揮官から「サイドに張ってボールを一度受けてから中に入るように」と指示を受けていた。ピッチを広く使えば、相手の守備も広げることができる。横に揺さぶりをかけてスペースをつくり、バイタルエリア(相手MFとDFの間、ペナルティーエリア付近)に中村が顔を出すタイミングで攻撃がスピードアップしていった。
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