可夢偉のトップ10入りには鈴鹿でのポイントが不可欠だ。

　第10戦ドイツGPを最後にポイントから遠ざかっている可夢偉。その原因は2つある。

　ひとつはチームの作戦ミス。もうひとつはマシンのアップデートが遅れていたことだ。

　シンガポールでの判断ミスは、テクニカルディレクターであるジェームス・キーが不在だったことと無関係ではない。そのキーは次戦日本GPに向けて、スイスのファクトリーで新しいパーツの開発指揮を執るために、シンガポールGPを欠席していた。

「鈴鹿には新しい空力パッケージを導入する。フロントウイングとリアウイングを一新し、ターニングベーンやサイドポッドディフレクターも新しいものが投入される。さらにブレーキダクトとフロアにも改良が加えられている」（ジェームス・キー／テクニカルディレクター）

　シンガポールGPでドライバーズ選手権でスーティルに逆転され、ランキング12位に落ちた可夢偉。トップ10を目指すためにも、比較的ザウバーC30と相性がいい鈴鹿では是が非でもポイントを獲得したい。

　たとえタイトル争いが終わったとしても、レースが開催される限り、男たちの戦いに終わりはないのである。