SCORE CARDBACK NUMBER

“第3の男”が試みる、
ベッテルへの最後の抵抗。
~シンガポールGP、アロンソの勝算~ 

text by

今宮純

今宮純Jun Imamiya

PROFILE

photograph byAFLO

posted2011/09/23 08:01

“第3の男”が試みる、ベッテルへの最後の抵抗。~シンガポールGP、アロンソの勝算~<Number Web> photograph by AFLO

シンガポールと相性の良いアロンソ。昨年はベッテルを抑えてポールトゥウィンを決めた

 危機的状況を打開し、第12戦ベルギーGPでS・ベッテルとM・ウェバーが1-2。レッドブルがファイナルステージ緒戦でさらにリードを広げた。

 休み明けのスパで予選PPを獲得したベッテルだったが、タイヤにブリスター(異常発熱による火ぶくれ)が発生。決勝での耐久性がシビアな問題になりかけたものの、早目のタイヤ交換戦略などチーム総合力で食い止めた。この勝利によって得点差を広げただけでなく、追撃態勢にあったライバルたちに“敗北感”をこってり味わわせた意味は大きい。今シーズンの分岐点となる大勝負だったと思う。

 イタリアGPでヨーロッパラウンドは終了。9月25日の第14戦シンガポールGP以降は、9週間で6戦する“長期大陸間ロード”が11月27日の最終戦ブラジルGPまで続く。ベルギーGP終了時点で、チャンピオンシップ争いの趨勢はベッテルがV2に向け増速。2位のウェバーが3位F・アロンソ、4位J・バトンらを抑える格好だ。

あらゆるファクターがアロンソにとってプラスに。

 ここまで「決してあきらめず最後まで争う」という姿勢できたアロンソにとっては、いよいよシンガポールが最後の抵抗の場となった。過去3回で2勝。バンピーでやや暗い路面と、高温多湿のコンディションに対する強さを見せてきた。

 今シーズン1勝のみのアロンソが今ひとつ追い込めずにきた原因は、低温になると固めのプライムタイヤもウェットタイヤもマッチせず、ペースが下落するマシンの傾向にあった。しかし、シンガポールのスタートは午後8時。例年、気温は30度前後で、日没後の路面温度もほぼ同じ。雨も決まって夕方には上がる。この気象条件は今のフェラーリが抱える低温のハンディを帳消しにしてくれる。タイヤ負担を少なく、しなやかなメカニカルグリップを引き出すアロンソ流のセッティングは、バンピーな舗装で生きる。マクラーレンが強いロングストレートもなく、あらゆるファクターから言って、レッドブルとの直接対決が可能となる。

 シンガポールを勝ち取ってアロンソが25点を獲得したとしても、ベッテルがゼロポイントに陥らずに入賞してくれば挽回できるポイントは減る。それでも、次に控える日本GPではベッテルが大本命視されるだけに、“第3の男”アロンソは獅子の都の夜戦に最後の抵抗を試みる。

■関連コラム ► 5人の王者が競う贅沢なバトル発生! ベッテルが生んだモンツァ新伝説。
► さらに進化を遂げていたレッドブル! スパ初勝利の裏側にあったドラマ。

関連キーワード
セバスチャン・ベッテル
マーク・ウェバー
フェルナンド・アロンソ

ページトップ