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40歳のジム・トーミが
見せる本物の統率力。
~MLBが求めるリーダー像とは?~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byGetty Images

posted2011/09/18 08:00

40歳のジム・トーミが見せる本物の統率力。~MLBが求めるリーダー像とは?~<Number Web> photograph by Getty Images

1990年代にインディアンス黄金期の主軸を担ったトーミ。その間6度の地区優勝に貢献した

 公式戦も佳境を迎えた8月25日、インディアンスが、ツインズからジム・トーミを獲得した。指名打者のハフナーが故障・離脱したためで、今季、史上8人目の600号本塁打を放った大砲の古巣復帰が決まった。

 もっとも、この駆け込みトレードは、単なる戦力補強だけを意味しない。7月下旬に加入した34歳の福留が最年長になるほど、若手主体のチーム。40歳のベテラン獲得の裏には、チームを束ねるリーダーとしての期待が込められていた。トーミ移籍決定後、アクタ監督はハッキリと言った。

「我々に必要なのは、攻撃力だけでなく、チームにプラスになるリーダーシップだ」

 野球という団体競技の性格上、リーダーの存在が重要であることは言うまでもない。

 だが、現在のメジャーで正式にキャプテンを務めているのは、ヤンキースのジーター、レッドソックスのバリテック、ホワイトソックスのコネルコの3人だけ。選手としての実績だけでなく、野球に取り組む姿勢、言動などからも尊敬され、周囲からの人望が厚いリーダーの存在は、長丁場のペナントレースだけでなく、緊迫するプレーオフを勝ち抜くためには欠かせない。だからといって、慣習でキャプテンを決めればいいわけでもなく、他の27球団に不在な理由は、人材不足にほかならない。

キャプテンの統率力は、ある意味で監督のカリスマ性よりも重要!?

 というのも、リーダーの役割は、試合での働きだけではない。

 敗戦後や苦境に陥った際、優秀なリーダーは必ずと言っていいほど、自らマスコミの矢面に立つ。厳しい指摘や辛辣な批判にも正面から答え、同僚の士気を鼓舞する言葉を忘れない。その半面、チーム状態が上向けば、緩みそうな空気を引き締めるコメントで釘を刺す。

 国旗を背負う代表チームと違い、メジャー球団は多様な人種、国籍の選手で構成され、言葉も文化も異なる。しかも、移籍が頻繁で毎年のようにメンバー構成が変わるだけに、リーダーの統率力は、ある意味で監督のカリスマ性よりも重要ともいえる。

 トーミが合流した26日。インディアンスでは、選手全員が歓迎の意を込めてトーミの好むストッキングを出すオールドスタイルでプレーした。チーム全体を同じ方向へ向けるリーダーの存在感。ビジネスライクなメジャーでも、決して精神論を軽んじているわけではない。

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