もしリーグ優勝を目指そうと思ったら、開幕ダッシュは特に大切だ。
たとえばJ1を、1シーズン制になった2005年まで振り返ってみると、開幕からの3試合で1勝もできなかったチームが優勝したのは2007年の鹿島だけだ。
<J1王者の開幕から3試合の成績>
2005年:ガンバ大阪 ●△〇
2006年:浦和 △〇〇
2007年:鹿島 ●●△ *鹿島は第6節で初勝利
2008年:鹿島 〇〇〇
2009年:鹿島 〇●〇
いくら前年に結果を残しても、それを貯金として翌年に持ち越せないのがプロスポーツの世界。当たり前のことながら、シーズン開幕はどのチームも勝ち点0 の状態から始まる。そこでいかに自分たちのやり方への自信を深め、周囲の雑音を消せるかが、長いシーズンを戦っていくうえでとても重要になる。特に開幕戦は、「34分の1」以上の重みがある。
では、「開幕戦の正しい戦い方」とは、どんなものだろうか?
勝利を目指し攻撃的パスサッカーを試したフィンケ・レッズ。
今回はパスをつなぐ「アクション型」のチーム、浦和レッズとFC東京の開幕戦をクローズアップしてみたい。この2チームは同じ方向性のパスサッカーを標榜しながら、全く異なるアプローチで、開幕戦に臨んだからである。
まずは浦和。彼らは自分たちの長所を前面に出して、王者鹿島に挑んだ。
キックオフからハイテンポなパスまわしで敵陣に侵入し、フィンケ監督が目指す攻撃サッカーのフィロソフィーを宣言するかのようにゴールを目指した。
だが、相手のクリアボールでDFラインが下げられ、ボランチのカバーが遅れた一瞬の隙から、前半5分に早くも失点してしまう。小笠原満男がノーマークに近い状態でクロスを上げ(平川忠亮が近くにいたが、もう1人鹿島の選手が走り込んできたため、体を寄せるのが遅れた)、DFラインの裏に飛び出した興梠慎三に先制点を決められてしまった。
個人的な見解では、DFラインが下がったときに、もっと早くボランチの細貝萌がスペースを埋めるべきだったと思う。ただ細貝の立場になってみると、キックオフから積極的に相手ゴール前に顔を出しており、その一時的な疲労の蓄積が出足を鈍らせてしまったのかもしれない。
一方、FC東京は、浦和とは真逆のアプローチをした。
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