タイガー・ウッズが前代未聞の謝罪会見で涙を見せ、その2日後、宮里藍が米女子ツアー2勝目の笑顔を披露。なんとも皮肉な対比だった。
タイガーがゴルフ界の王者として君臨していた一方で、宮里は米デビューから4年もの間、迷路をさまよい、「引退」の2文字に怯えた時期さえあった。だが、今ではタイガーの背後に「引退」がちらつき、逆に昨夏の初優勝から波に乗った宮里は、今季はいきなり開幕V。
その宮里が、いつだったか、こんなことを言っていた。「大切な人がいれば、ちょっとやそっとじゃ腹は立たない。自分が充実していれば、ちょっとしたことでもすごく楽しい」。
この言葉が現在の米ゴルフ界にうってつけだと思えてしまうところが、また皮肉なのだ。
曖昧な態度に終始した「大切な人」にメディアは逆上。
米ゴルフ界には昨季までタイガーという「大切な人」が居た。だから何をやっても楽しく、14年間も充実の日々を謳歌できた。しかし昨年11月27日の交通事故以降、「大切な人」が雲隠れしてからは一転してイライラの日々だ。
謝罪会見に対しても米ゴルフ界は腹を立ててばかりだった。アクセンチュア世界マッチプレー選手権の開催中に会見を設定したのは「タイガーとのスポンサー契約を最初に破棄したアクセンチュアに対する侮辱だ」と声を荒げた。質問は一切許可されず、声明を聞くだけ。入室を許されたのはAP通信、ロイター通信、ブルームバーグの3社とタイガー昵懇(じつこん)の記者など6名のみで、あとは家族や友人ばかり。「その他のメディア」は隣接するホテルの2部屋でテレビモニターを眺めるだけ。一方的な限定スタイルに米メディアは「小バカにするな」と怒りを露わにした。
それでもなお「大切な人」に早く帰ってきてほしいと願っていたのに、声明では復帰時期を明言せず「今年じゃないこともない」と曖昧な態度。13分間の謝罪会見後、米メディアたちが見せた表情は、「いい加減、はっきりしてよ!」と恋人に詰め寄る怖い形相に似ていた。
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(更新日:2010年3月12日)































