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地味球団の逆襲と監督の手腕。
~ブルワーズとDバックスの快進撃~ 

text by

芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2011/09/11 08:00

地味球団の逆襲と監督の手腕。~ブルワーズとDバックスの快進撃~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

ダイヤモンドバックスを率いるギブソン監督。2年連続最下位球団の意識改革に、見事に成功

快進撃の理由は1点差試合を制する勝負強さ。

 年齢は近いし(レネキーが'56年生まれで、ギブソンは'57年生まれ)、ともに新監督(ギブソンは昨年、監督代行をつとめたが)という共通点もあるのだが、両者の横顔はずいぶん異なる。

 にもかかわらず、ふたりが作り上げたチームはどこか似た匂いを放っている。

 基本が投手力のチームであることはもちろんだが(ブルワーズには、グリンキーとガヤルドとマーカムがいる。Dバックスには、ケネディとハドソンとソーンダースがいる)、両球団とも1点差ゲームにめっぽう強いのだ。Dバックスが23勝14敗(9月6日現在、大リーグ全体で3位)、ブルワーズが28勝16敗(全体で1位)。そう、この勝負強さこそ、快進撃の原動力にほかならない。

 そんな両球団が、ポストシーズンでは、リーグ最強のフィリーズに挑む。この調子で行けば、ディヴィジョン・シリーズではDバックスが、NLCSではブルワーズが刺客と化すことになるはずだ。果たして彼らは、「投手の時代」にふさわしい波乱劇を演出することができるのか。地味なチームが台風の目になると、プレーオフにも味が出てくる。

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