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メジャーで6番目に高齢の斎藤隆が、
一流の成績で戦い続けられる理由。 

text by

菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byGetty Images

posted2011/09/05 10:30

メジャーで6番目に高齢の斎藤隆が、一流の成績で戦い続けられる理由。<Number Web> photograph by Getty Images

ここまで22試合に登板し防御率2.33と奮闘している斎藤隆。なかでも8月は11試合に登板。その内、負け試合は2試合だけという“勝利の方程式”の一角を担っている

上位チームにはメジャー最高齢世代の存在あり。

●MLB高齢者選手 トップ10
順位 選手名 生年月日 年齢
1 ティム・ウェイクフィールド(レッドソックス) 1966年8月2日 45歳
2 オマー・ビスケル(ホワイトソックス) 1967年4月24日 44歳
3 マット・ステアーズ(ナショナルズ) 1968年2月27日 43歳
4 アーサー・ローズ(カージナルス) 1969年10月24日 41歳
5 マリアノ・リベラ(ヤンキース) 1969年11月29日 41歳
6 斎藤隆(ブルワーズ) 1970年2月14日 41歳
7 クレイグ・カウンセル(ブルワーズ) 1970年8月21日 41歳
8 ジム・トーミ(インディアンズ) 1970年8月27日 41歳
9 ダレン・オリバー(レンジャーズ) 1970年10月6日 40歳
10 ジェイソン・ジアンビ(ロッキーズ) 1971年1月8日 40歳
※2011年9月1日現在

 あれから5年が経過したが、斎藤は今もメジャーのマウンドに立ち続けている。別表を見てもらえばわかるように、今や現役6位の高齢選手なのだ。日本で好まれる「○○世代」という分類をするならば、ナックルボーラーという特異なティム・ウェイクフィールドを除き、マリアノ・リベラ、アーサー・ローズとともに投手の最高齢世代の1人に入っている。2006年時点で斎藤本人を含め誰1人想像できなかったことだろう。

 もちろん斎藤の姿勢は、今も尚メジャー1年目とまったく変わっていない。マウンド上の投球に打算的な要素を一切持ち込んでおらず、それぞれのシーズンで1試合1試合を積み重ねながら現在に至っている。ここまで読み進めてもらえれば、斎藤が気持ちで投げる投手だというのは明々白々だが、そんな彼の気持ちを支え、ここまで投げ続けてこられたのにはある理由があったようだ。

もし今もドジャースで投げていたら野球人生は……。

「メジャー1年目はともかく、メジャーのことがわかりだしてから今のドジャースのようなチームにいたなら、もう(野球人生が)終わっていたかもしれないですね。とにかくチームが優勝争いしていると、与えられた場所で自分の仕事を全うするしかない。その時の結果をいちいち振り返っている余裕もないですからね」

 というのも、今シーズンのドジャースはオーナーの離婚騒動に端を発した球団経営問題も影響してか、シーズン中盤から成績不振を極め早い時期に優勝戦線から取り残されてしまった。

【次ページ】 優勝争いこそが、最高のモチベーション。

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斎藤隆
上原浩治
ミルウォーキー・ブルワーズ

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