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5年ぶりの表彰台独占。
強いホンダが戻ってきた。
~モトGP後半戦展望~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2011/09/02 06:00

久々の快挙に笑顔が弾けた表彰台。ワークス所属ではないシモンチェリ(右)の3位が光る

久々の快挙に笑顔が弾けた表彰台。ワークス所属ではないシモンチェリ(右)の3位が光る

 今シーズン快進撃を続けて来たホンダ勢が、後半戦のスタートになった第11戦チェコGPで表彰台独占を果たした。現在総合首位のC・ストーナーが今季6勝目。総合3位のA・ドビツィオーゾが2位で今季5回目の表彰台。成長著しいM・シモンチェリが3位で初めて表彰台に立った。予選では怪我から復調したD・ペドロサが圧倒的な速さで今季初PPを獲得。首位に浮上した3周目に痛恨の転倒を喫したが、それがなければ上位4位までがホンダ勢だったはずだ(翌週の第12戦インディアナポリスGPでは、ストーナーが今季7勝目、ペドロサが2位に入り、再び上位をホンダ勢が占めた)。

 ホンダの表彰台独占は'06年のアメリカGP以来、実に5年、88戦ぶり。さらに、シーズンを通じてもっとも苦手としてきたチェコのGPの勝利も、'04年以来、7年ぶりだった。

 この3年間、「勝てるホンダ」復活に向けて陣頭に立ってきた中本修平HRC副社長は、勝利の理由をこう説明する。

「ヤマハ勢優位のコースが多い前半戦で7勝できた。チェコGPが行なわれるブルノも、下りコーナーが多くて、うちのバイクのネガティブな部分が顕著に出るサーキットだったけど、その改善につとめてきたことが、結果的に前半戦の勝利にもつながった。後半戦はホンダが得意とするコースが続くので、取りこぼしのないようにひとつひとつ勝っていきたい」

ホンダ復活の要因は、マシンの熟成とライダー間の競争心。

 速さを抑えるための厳しい燃費規制やエンジン使用数の制限、テスト日数削減などコスト削減ルールの実施で、以前のようにハード面で圧倒的なアドバンテージを築くのが難しくなっている。そういう時代にもかかわらず、強いホンダが復活したことがチェコGPの結果にあらた
めて感じられた。

 これまでのホンダは、勝てるバイクを作り、生え抜きのライダーをチャンピオンにすることをモットーにしてきた。ペドロサは長らくその候補だが、これまで何度も怪我に泣いてきた。そこでホンダは、V・ロッシ、J・ロレンソ、ペドロサとともに4強に数えられるストーナーを獲得。ライダー間で高まった競争心がマシンの熟成とあいまって、ホンダ勢のレベルは一気に上がった。

 ここから先、ホンダはストーナーのタイトル獲得に全力を尽くすことになるが、一方でペドロサも発奮している。さらに若手の成長も著しい。帰ってきた強いホンダ時代は当分続きそうである。

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