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<SF作家の「自転車」論> 高千穂遙 「体型も作風も変わった」 

text by

柳橋閑

柳橋閑Kan Yanagibashi

PROFILE

photograph byTamon Matsuzono

posted2011/09/01 06:00

<SF作家の「自転車」論> 高千穂遙 「体型も作風も変わった」<Number Web> photograph by Tamon Matsuzono
より速く、より遠くへ――何が彼らを掻き立てるのか。
自転車を偏愛する3人がちょっとマニアな楽しみ方を
教える“私の「自転車」論”。
3人目は、自転車マニアの間で知られた存在である
SF作家の高千穂遙さん。こだわりのコレクションを披露します。

 椎間板ヘルニアでオートバイやスキーをやめて以来、書斎にこもる生活が続いていた高千穂遙さん。50歳の健康診断で肥満、高脂血症、高血圧で生活習慣病の一歩手前と診断された。そんなとき出会ったのが自転車だった。

◇    ◇    ◇

 健康診断の結果を見て焦っていたとき、疋田智さんの『自転車生活の愉しみ』を読んで、「そうか、自転車があった!」と気づいたんです。椎間板ヘルニアのせいでランニングなどはとても無理。でも自転車なら大丈夫だと。

 最初はクロスバイクやスポルティーフに乗っていたんですが、どうも物足りない。そこで思い切って、アームストロングが乗っていたトレック5500というロードバイクに乗り換えました。そこでようやく分かったんです。自分は純粋に走りたいだけなんだって。それからは週4日のペースでひたすら走りました。とにかく楽しくて仕方なかったですね。

体脂肪は25%から12%に。体型も変わって服はすべて買い直し。

 1年ほどで健康診断の数値はほとんど改善。体重は20kg以上落ちて、体脂肪も25%から12%ぐらいになっていました。体型もまったく変わってしまって、服はすべて買い直し。パーティに行けば、「あなた誰?」という感じで誰も気づいてくれない(苦笑)。

 その後、事故で落車して背骨を圧迫骨折したこともあって、いま乗るのは週3回。天気の悪い日は室内でローラー台に乗りますが、これが泣きたくなるぐらい退屈なんで、HDDレコーダーに貯まった録画番組を見ながら漕いでます。

 走行距離はママチャリなども含めると年間でだいたい1万km。持病があるので、これぐらいが限度ですが、身体が許すなら間違いなくもっと乗ってますね。

 あるとき仲間の一人がヒルクライムを始めて、最初は「山に登るなんてばかじゃないか」と思っていたんですけど、試しに自分でも走ってみたらけっこう登れて、「やっぱり男は山だよ」となってしまった(笑)。

【次ページ】 「旨いものを探して走りに行くのも醍醐味のひとつ」

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高千穂遙

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