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格闘技界の主流を狙う
ムエタイイベントが上陸。
~待たれる“サムライの逆襲”~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2011/08/24 06:00

格闘技界の主流を狙うムエタイイベントが上陸。~待たれる“サムライの逆襲”~<Number Web> photograph by Susumu Nagao

WBCムエタイ世界ミドル級王者でもあるヨハン・リドンに郷野は3-0の判定で敗れた

 国内外におけるムエタイの普及を目的に、タイ政府が全面的にバックアップする『THAI FIGHT』が日本に上陸。8月7日、海外進出第3弾として東京・有明コロシアムでビッグマッチを行なった。ムエタイといえばギャンブルというイメージが強い。もっとも、タイの好景気に後押しされるかのように、「格闘技としてのムエタイの良さをもっと知ってもらおう」という声が国内で大きくなっていることも事実。その声の裏側には、ムエタイはキックボクシングやK-1のルーツという自負がある。それを証明するように大会スポンサーはタイの一流企業がズラリと顔を揃えた。

 日本でも知名度の高いブアカーオを筆頭とするタイ選抜とムエタイが盛んなフランス選抜が結成したインターナショナルチームは、まさに中量級のムエタイ・オールスターズ。日本人選抜のチームサムライとの対抗戦が大会の軸となった。

 メインで郷野聡寛から得意のハイキックでダウンを奪って快勝したヨハン・リドンは、イッツショータイムの73kg級世界王者。タイと欧州で活躍中のスッサコーンとファビオ・ピンカは、長らく来日が待たれていたムエタイ戦士だった。

9月2日には、アメリカで『ムエタイプレミアリーグ』が開幕予定。

 果たして、対抗戦はインターナショナルチームの圧勝(5勝1敗)で終わった。一矢を報いたのは“超大物”ヨーセングライからダウンを奪った末に判定勝ちを収めるという番狂わせを演じた白須康仁のみ。もっとシーソーゲームになりそうなマッチメークを組んで欲しかったと思ったのは筆者だけではあるまい。

 もし、日本で2度目の開催があるならば、大会のテーマは“サムライの逆襲”になるだろう。痛烈なヒジ打ちで牧野智昭からダウンを奪ったブアカーオによってヒジの恐ろしさは十二分に伝わった。余裕の微笑とともにTOMOYUKIの攻撃をかわしながらポイントを重ねたスッサコーンによって、攻防が一体化したムエタイの奥深さも理解できた。足りないのはムエタイルールで海外の一流選手と渡り合える日本人選手の出現だけだ。

 9月2日には、アメリカでTHAI FIGHTの対抗勢力と目される『ムエタイプレミアリーグ』が開幕する。この大会にはブアカーオやリドンも出場予定。形を微妙に変えながら、ムエタイはしたたかに世界に根を張ろうとしている。

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