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日本人が“直接対決”で
五輪出場を争う世界柔道。
~8・23開幕プレビュー~ 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byShino Seki

posted2011/08/22 06:00

日本人が“直接対決”で五輪出場を争う世界柔道。~8・23開幕プレビュー~<Number Web> photograph by Shino Seki

昨年の全日本選抜体重別では延長で、福見(左)が浅見に足払で有効

 8月23日、フランス・パリで柔道の世界選手権が開幕する。

 世界選手権は、オリンピックに次いで重要な位置づけの大会だが、今年はいつにも増して、格別の重みがある。来年のロンドン五輪の代表選考に結びつく大会だからだ。

 柔道は、重量級を除けば、来春の全日本選抜体重別選手権を五輪代表最終選考会に定めている。ただ、競泳のようないわゆる一発選考ではなく、「対外国人選手」の成績を中心にそれまでの実績も重視される。そのため、五輪前年にあたる今回の世界選手権の成績は、代表選考に大きく影響するのだ。

 しかも、世界選手権はオリンピックと違い、各階級に各国2名の選手が出場できる。つまり、世界選手権の舞台で、五輪代表争いの“直接対決”が繰り広げられるのである。

 中でも激しい戦いとなるのが女子の軽量級、特に浅見八瑠奈と福見友子が出場する48kg級である。

浅見と福見は「まったくの五分と五分」(全日本女子・園田監督)

「決勝で当たってくれると思っています。金メダルと銀メダルを獲りたいですね」

 全日本女子の園田隆二監督は2人に全幅の信頼を寄せるが、両者の近年の成績を見れば、そのように語るのも納得がいく。

 浅見は昨年、東京で行なわれた世界選手権に初めて出場し、決勝で福見に優勢勝ちをおさめて優勝した。今年になってから出場した3つの国際大会でも、そのすべてで優勝を飾っている。

 福見は'09年の世界選手権チャンピオン。'09年2月のグランプリ・ハンブルク以降、13の国際大会に出場し、昨年のアジア大会決勝の疑惑の判定による敗戦を除けば、外国人選手に一度も負けていない。今年出場した国際大会2つでも優勝を果たした。

 どちらがオリンピックに出ても金メダル、と言ってさしつかえない成績を残してきた2人の対戦成績もまた、福見の3勝2敗と拮抗する。昨年は2度対戦しているが、4月の全日本選抜体重別選手権は延長にもつれた末に福見が勝利をおさめ、先に記した世界選手権決勝は、両者ともに技のポイントに至らず、指導のみによる決着だった。

「まったくの五分と五分です」

 園田監督も、現在の力関係をそのように見ている。

 その言葉は、オリンピックへ向けた代表争いでも互角の関係にあることを示している。だからこそ、今大会の持つ重みは、2人ともに自覚している。

【次ページ】 52kg級では中村美里と西田優香が代表の座を争う。

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