チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦、セビージャとのホーム戦で、本田圭佑は10段階評価で、最低でも6は出せる活躍をした。
少なくとも、'06-'07シーズン、セルティックの一員としてミランと戦った中村俊輔より貢献度はずっと高かった。
2月に行なわれた4連戦を経て、支持率が20%以下に落ち込んだ岡田サンにとって、これは朗報以外のなにものでもなかった。
実際、3月3日のバーレーン戦では、本田を1トップ下として先発で起用し、2点目を本田が決めると「ほかの誰が取るよりもうれしかった」と絶賛。この新たな主役の出現が、岡田サンの不人気、続投反対の声を鎮めてしまった格好だ。
本田は結果的に、岡田サンにとっての救世主になった。
岡田監督はそもそもスター選手が苦手なのだが……。
しかし、岡田サンは本来、「オレ様」キャラのスター選手を、あまり得意にしていないはず。カズを'98年フランスW杯の最終メンバーから外した理由も、そこにあると言われている。その直後テレビの取材で、イタリアの有名監督にスター選手の扱い方について教えを請うた、という話も伝え聞く。
本田対岡田は、このまま良い関係を築くことができるのか。
現日本代表で、本田の次にスター性の高い選手はと言えば、闘莉王だ。なんとなく元気がなくなってきた中村俊輔より、もはや彼のほうが存在感は上。古いタイプの顔立ちなので、若い女性からキャーキャー騒がれることはなさそうだが、ピッチの上では最も目立つ選手だと言える。
必然、闘莉王と岡田サンの関係は気になる。浦和から名古屋へ移籍した理由は、フィンケ監督との対立にあると言われている。監督のなかには、もはや彼の専売特許となった過剰な攻め上がりを嫌う人が多いことは事実。
W杯ではこれまで同様に攻め上がると大量失点を食らう。
岡田サンはその点をどう見ているのか。最近の記者会見では「ルシオのようにプレーしてほしい」と述べている。岡田サンがこれまで、ルシオのプレーを生で実際にどれほど見たことがあるか。彼が戦術の一環にどう組み込まれているかご存じなのか。
具体的には、そのカバーだ。闘莉王が上がったら、その穴を誰が埋めるのか。
W杯本大会で戦う3チームは、いずれも格上だ。身体能力に優れた大型FWも有している。Jリーグのチームやアジアの国々と対戦するときのような調子で攻め上がると、大量失点を食らう恐れ大なのだ。
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筆者プロフィール
杉山茂樹
1959年7月8日生まれ。静岡県出身。大学卒業後、フリーのライターとして「Sports Graphic Number」やサッカー専門誌などで執筆するほか、解説者としても活躍中。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「ワールドカップが夢だった。」(ダイヤモンド社)、「サッカー世界基準100」(実業之日本)、「4-2-3-1」(光文社新書)、「日本サッカー偏差値52 」(じっぴコンパクト)などがある。































