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大逆転劇に秘められた、宮里藍の“技量”。~連勝の秘訣はなんなのか?~ 

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三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byGetty Images

posted2010/03/04 00:00

大逆転劇に秘められた、宮里藍の“技量”。~連勝の秘訣はなんなのか?~

大逆転劇に秘められた、宮里藍の“技量”。~連勝の秘訣はなんなのか?~

 宮里藍が、米女子ツアーで開幕戦からの連勝となるツアー通算3勝目を挙げた。特に注目したいのがシーズン開幕となったタイのサイアムCCでの「ホンダ LPGAタイランド」。首位と6打差で迎えた最終日、63というビッグスコアを出して、大逆転優勝を飾った。

 かつては日本女子のビッグスコアといえば「せいぜい3~5アンダーくらい」(岡本綾子)だったが、ここ数年は「65(7アンダー)以下」(横峯さくら)と言われるほどレベルが上がっている。

 宮里の大逆転は、そのことを証明した。

「バーディ合戦になると(米女子ツアーでは)どうしても気おくれしてしまう感じでしたが、いまは互角に戦えるという気持ちが備わった」

 その大きな要因として、シーズンオフにショートゲームを徹底的に練習したことが挙げられる。

参戦5年目で「地に足のついた」ゲーム展開を身につけた。

 ショートゲームはスコアメイクの生命線と言われている。ゴルフはミスをしのいでいくゲーム。完璧に18ホール、パーオンすることはできない。そのグリーンを外れたときに生きてくるのが、ショートゲームの巧さである。

 1980年代に、100ヤード以内が世界一と言われた青木功が活躍できたのも、丸山茂樹や岡本綾子が米ツアーで優勝できたのも、ショートゲームの確率の良さあってこそだった。

 宮里も、その技量に磨きをかけた。

 日本人選手は、米ツアーへ行くと、飛距離を伸ばそうとする。それが昂じるとスイングが空中分解してスランプに陥る。

 ツアー選手たちは、いつも「自信」と「不安」の背中合わせで戦っている。自信があるときには、難なくできるショットも、不安な状態では、こんなはずはないというほど乱れる。

 宮里にもそういう時期があった。

 しかし昨年、エビアン・マスターズで米女子ツアー念願の1勝を果たし、ようやく「地に足がついたゲーム展開」ができるようになったわけである。

「ともかく6打差スタートだったので、優勝の意識よりも、目の前の1打1打に集中してプレーしていました」

 最終ホールで、グリーン奥のエッジからの7メートルをチップインしての逆転劇。この勢いと自信は、今季の宮里の戦いの原動力となって勝ち星を増やしていきそうだ。

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