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森田あゆみがフェド杯で見せた
新しい一面。
~“ポスト伊達”に寄せる期待~ 

text by

秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

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photograph byMannys Photography

posted2010/03/03 00:00

森田あゆみがフェド杯で見せた新しい一面。~“ポスト伊達”に寄せる期待~<Number Web> photograph by Mannys Photography

 現役復帰から約2年。クルム伊達公子が輝けば輝くほど、他の日本女子の存在感は薄れた。昨年末、伊達は世界ランキングで国内トップとなり、フェドカップ日本代表にも14年ぶりに復帰した。39歳がエースという現状に、他の選手は何をしているのか、と感じた向きもあっただろう。伊達自身、「12年のブランクのあった私がトップというのは、いい状況ではない」と語っていた。

 しかし、2月3日からマレーシア・クアラルンプールで行なわれたフェド杯アジア/オセアニアゾーンで、少し明るい兆しが見えた。伊達とともに戦ったのは森田あゆみ、藤原里華と瀬間友里加。伊達はシングルス4戦4勝と、大黒柱としてチームを支えたが、それに劣らぬ活躍を見せたのが19歳の森田だった。

 予選リーグはシングルスで3戦3勝。ニュージーランド戦では相手のマッチポイントを3本しのぎ、逆転勝ちを収めた。決勝の台湾戦は、世界グループ2部の入れ替え戦進出を懸けた戦いだった。森田は初戦のシングルスで敗れたが、第2試合で伊達が勝ち、1勝1敗。勝負のかかった最終試合のダブルスに藤原と出場した森田は、台湾の強豪ペアを圧倒、日本優勝の立役者となった。

グランドスラムでは未勝利。結果を求められる時期にきた。

 15歳で全日本選手権を制した森田。昨年はツアー大会で初めて4強入りを果たしたが、四大大会ではまだ勝利がない。昨年の全米で準優勝したジュニア時代のライバル、ウォズニアッキ(デンマーク)には大きく水を空けられてしまった。焦りはないというが、そろそろ結果を求められる時期ではある。“他の選手は何をしている”と見る人がいるなら、実力から言ってもランキングから言っても、矢面に立たされるのは森田なのだ。

「若い選手だが頼りがいがある」と伊達は後押しする。

 このフェド杯では気迫を前面に押し出して戦った。優勝を決めたダブルスを振り返り、「伊達さんが勝ってくれたので、何としても勝ちたいという気持ちが強かった」。我慢のプレーに徹する場面もあったが、これはハードヒッターの彼女が見せた新しい一面と言っていい。伊達も「彼女だから(団体戦の)責任の重さを乗り越えられた。若い選手だが頼りがいがあると強く感じた」と絶賛した。

「課題も見つかり、すごく刺激のあった大会」と森田。重圧を背負って戦った経験が、成長の糧となるに違いない。

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