日本代表、2010年への旅BACK NUMBER

平山に「即効性」を求める日本代表。
今すぐ欲しい得点力と攻撃の柔軟性。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byToshiya Kondo

posted2010/02/12 13:35

平山に「即効性」を求める日本代表。今すぐ欲しい得点力と攻撃の柔軟性。<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

 ゴールを奪うことを放棄するように専守防衛に走ったチームから、流れのなかで得点を奪うことはなかなか容易ではない。

 アタッカーまで自陣に戻してベタ引きし、一向に出て行く気配を見せない香港に対して、ここ2試合無得点を続けている日本は案の定、攻めあぐねた。

 そのなかでこじ開けた3得点は評価できる部分もある。相手のクリアミスを拾ってゴールに流し込んだ玉田圭司の先制点にはこれまでにチームが欠けていた「泥臭さ」があったし、セットプレーの2得点に「必死さ」も伝わってきた。結局22本ものシュートを放っておきながら3得点とはいただけないが、良く捉えればシュートの意識がこれまでよりも強かったとも言える(ベネズエラ戦、中国戦ともに13本)。決定的な場面で味方にボールを預けるような消極性が、この日に限っては消えていたように思う。

相手に合わせて攻撃を変える柔軟性がもっと欲しい。

 ただ残念だったのは、攻撃の柔軟性という課題がこの試合でも解消されなかったことだ。相手が引いてスペースを消してきたなら、個の力でこじ開けるか、スペースを捻出しなくてはならない。中央突破だけでは難しいと判断したら、サイドに起点をつくって相手を引き出すような動きがもう少しあってよかった。チームに迷いがあったからこそ、岡田武史監督は前半の戦い方に「ゴールを取りにいくという肝心な意識が薄かった」と不満を口にしている。

 攻撃に変化が出てきたのは後半17分過ぎ。交代で入ってきた稲本潤一が1ボランチ気味になって遠藤保仁がサイドに出て起点をつくるなどしてアレンジを加えてからだ。指揮官も「遠藤を前に上げてから攻撃にリズムが出てきた」と語っている。

小柄なFWが多い岡田ジャパンに攻撃の幅を持たせる平山。

 チームに少なからず変化を与えた一人として、後半開始から投入された平山相太の存在も無視できない。

 平山はクサビ役として縦のボールを引き出すことによって、相手の守備にギャップをつくろうとしていた。前線でターゲットになることで最終ラインにストレスを与え、スペースを空けることに一役買った。

 速くて小柄なフォワードが多い岡田ジャパンにおいて、190cmの平山が入るだけで変化にはなる。前半にボールを散らして相手の体力を奪っていたこともあり、平山の投入で縦に向かう意識がチームに出てくると、攻撃に幅が広がった。

「きょうは(自分の)やりたいようにいく、という気持ちが強かった。縦パスも受けていきたいと思っていた」とは平山。この3連戦ですべて途中出場を果たしており、どう動けばどんなパスがもらえるか、イメージも膨らんできている。

<次ページに続く>

► 【次ページ】  「(平山は)自分の特長をもっと出してくれてもいい」と中澤。

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