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サヒンに代わる司令塔役は誰だ?
連覇をねらうドルトムントの試行錯誤。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byItaru Chiba

posted2011/07/18 08:00

サヒンに代わる司令塔役は誰だ?連覇をねらうドルトムントの試行錯誤。<Number Web> photograph by Itaru Chiba

ブンデスリーガ連覇に向けて、5人の新加入選手を獲得。怪我で昨季後半は戦列を離れた香川も“6番目の新加入選手”として期待されている

 ドルトムントは連覇できるのか。

 バイエルンのタイトル奪取とならんで、ブンデスリーガ開幕前の議論の的になっている。最大のテーマは「ポスト・サヒン」だ。

 今オフ、9年ぶりの優勝を手土産にサヒンはレアル・マドリーへと移籍してしまった。昨季はチーム最多のボールタッチ数で、攻撃をオーガナイズ。まさに欠くことのできない選手だった。実際、『キッカー』誌をはじめ、多くのメディアが彼をリーグMVPに選んでいる。

 サヒンの後継者を誰が務め、どれほどのプレーが出来るのかに、今季のドルトムントの行方はかかっていると言っても過言ではない。

サヒンの穴を埋めるのは新加入のギュンドガンで決まり?

 先日、『ルール・ナハリヒテン』紙は読者アンケートを行なった。読者への質問は、サヒン不在で空席になった守備的MFを誰が務めるべきか。結果は以下の通りだ。

1位 ギュンドガン(新加入) 73.8%
2位 ゲッツェ 15.4%
3位 ケール 9.5%
4位 ダ・シルバ 1.3%
※上記のメンバー以外にライトナーも候補になりそうである。

 ギュンドガンは、ニュルンベルクから移籍してきたU-21ドイツ代表の守備的MF。バルセロナ時代のデコが見せていたようなプレーが特徴だ。昨年には、マンチェスター・ユナイテッドが獲得に動いたこともあった。足元の技術があり、パスを散らせる。もちろん、機を見て2列目、3列目から前にも出て行く。それでいて危機察知能力が高い。「今季の移籍の目玉」と言われている。

厳しい立場に追い込まれたキャプテンのケール。

 昨季はゴールを狙いにいく場面で守備的MFとして起用されることがあったゲッツェは、今季はこのポジションで起用されることは少なそうだ。これについては後述する。

 一方で、ケールとダ・シルバは厳しい立場に置かれている。

 ケールはドルトムントのキャプテンだが、近年は怪我に泣かされ、過去2シーズンはいずれも6試合の出場に終わっている。球際の強さは見せるが、攻撃時には球離れが悪く、攻撃の停滞を招くことも少なくない。彼はむしろ、S・ベンダーの控えを務めることになるだろう。

 ダ・シルバは、ヒンの控えとして昨季からプレーしている33歳の選手だ。不用意なボールタッチが多く、スピードもない。昨季終盤戦にサヒンが負傷すると代わりに起用されたが、逆にサヒン不在の穴を感じさせることになってしまった。

【次ページ】 敏腕代理人が発掘した18歳、ライトナーの高い資質。

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