Number Do MoreBACK NUMBER

<私とラン> ソニン 「本能に目覚めてる人って、絶対ラン好きだと思う」 

text by

NumberDo編集部

NumberDo編集部Number Do

PROFILE

photograph byAsami Enomoto

posted2011/07/14 06:00

<私とラン> ソニン 「本能に目覚めてる人って、絶対ラン好きだと思う」<Number Web> photograph by Asami Enomoto
2年以上かけて地球を一周した寛平ちゃんのように、
長い距離を走ることに生きがいを感じる人もいる。
茂木先生のように、走りたくなったら5分でも
いいから走るという人もいる。走り方はその人次第。

今回は、Number Do第2弾「100人が語るRUN!」より、
歌手や女優として活躍するソニンさん。
雑誌では未収録部分も盛り込んだ特別版を公開します。

 部活の練習とか、体育とか、学生時代はみんなが経験するくらいにしか走っていませんでしたね。ただマラソン大会は毎回のように入賞していた覚えがあります。マラソンは“根性だ、短距離は勝てなくてもマラソンなら勝てる”って思ってたんですよね。1学年下にとても足の速い子が入学してきた年があって。「今年は仕方ないな、この子速いし」って思いながら、その子が1位で、私が2位でずっと走ってたんです。でもゴール直前で、同級生が「抜け~!」って応援してくれて、その声に引っ張られるように頑張って、1位になれたこともありましたね。

 本格的にランの魅力に目覚めたのは、一昨年の6月から1年間、コニカミノルタランニングプロジェクトのナビゲーターを務めてから。プロのランを見るのも初めてだったし、人に教えてもらったこともなかったので、初めてランにきちんと接して、走ることの行為の深さを感じたんですね。究極だな、って。

 走ることってすごくシンプルだけど、プロだって2時間以上、ずっと走りつづけなくちゃいけない。それって大変なことじゃないですか。人生もそうで、ときに生き続けていかなきゃいけないことってすごく辛いですよね。そういう状況に自分を追い込んで、精神的にも厳しく、ストイックで……ランナーって究極のアスリートだな、って思ったんです。

人としての本能に目覚めてる人って、絶対ラン好きだと思う。

 ダンスは、身体の表現だったり、リズム感だったり自分の一部。走ることはまた全然違うものですね。誰でもできることだけど、やっている行為がシンプルなだけに自分自身がすごく嘘なく分かる。自分を確かめながら、教えてくれるものだと思うんですね。だから、人としての本能にちゃんと目覚めてる人って、絶対ラン好きだと思う。人間として生きようとしている人って、一度ランの魅力を知っちゃったら、抜けられないと思いますよ。

 今では駅伝も大好きですね。今年はちょうどオフだったので、箱根駅伝の柏原くんの走りを見に、箱根まで行ったんですよ。坂を上がっているとは思えない速度で駈けていって、あっと言う間でしたけど、すごく心に残りました。私ランナー見ると泣いちゃうんです(笑)。裏のドラマがあることも知っているので、それが見えるようで……自分も走ってるとどれくらい辛いものか、分かってるし。

【次ページ】 「食べたから動く」ではなく、「食べるために動く」

1 2 NEXT
ソニン

陸上の前後の記事

ページトップ