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中村俊輔は欲求不満の黒星発進。
エスパニョールは何を目論んだのか?
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byTakuya Sugiyama
posted2009/08/31 14:30
リーガデビューを果たした中村俊輔。55分にはビルバオのMFムニアイン(先月16歳になったばかりのビルバオの秘蔵っ子)に肘が当たったとイエローカードをもらう羽目に
中村にさらに求められるプレーがあるならば、それは?
その上、故障中のデラペーニャに代わって中盤の底に立った“第2の起点”ベルドゥも、アスレティックに押し込まれて前に出られず、何もできない。
「攻撃はオートマティズムが効果をもたらしている」とポチェッティーノは満足していたが、とてもそんなレベルではなかった。今後2週間のリーグ中断期に磨き上げねばならないポイントだ。
また、中村がボールに絡む場面では、サポートの仕方を含むコンビネーションが何度かぎくしゃくしていた。新入りである中村の方がもう少しプレーで主張していくと、この問題はうまく解決するかもしれない。
ビルバオにとっては最高の滑り出しとなった一戦。
ところで、今回の一戦で最も良かった選手は、これがリーガデビューとなったアスレティックの16歳ムニアイン。同じく初めてリーガのピッチに立った20歳のデ・マルコスともども、自分は戦力であることを改めてアピールしていた。というのも、2人は夏の間に公式戦デビューを果たし、前者はヨーロッパリーグ予備予選のヤングボーイズ戦第2レグで、後者はバルサとのスーパーカップ第1レグでゴールを決めているからだ。
1点差とはいえトクエロの鮮やかなゴールで勝ち、カンテラ育ちの若者が活躍。アスレティックファンにとっては最高の開幕戦となった。