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停滞する社会人野球における、
復活の方策と変わらぬ課題。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph bySPORTS NIPPON

posted2010/01/17 08:00

停滞する社会人野球における、復活の方策と変わらぬ課題。<Number Web> photograph by SPORTS NIPPON

昨年行なわれた第36回社会人野球日本選手権大会でホンダを3-2で下し、初優勝を果たしたJR九州。主将の宇多村典明内野手が優勝旗を高々と掲げる。

 年明け早々の1月8日、重要な問題が立て続けに報道された。1つめは「日米両国によるグローバルワールドシリーズ(以下GWS)」の可能性を報じる記事。2つめはイースタンリーグがチームを構成して社会人野球の大会を目指す、という記事である。

 GWSはセリグMLBコミッショナーから切り出された話になっているので実現性は高いと見ていいようだ。

 その後の報道では、1月10日のスポーツニッポン紙において、レッドソックスの松坂大輔投手が開催の必要性を強調し、開催地に関しては第1回大会がアメリカで5戦、第2回大会が日本で5戦と交互に行うという私案を披露している。ちなみに、同紙は「1月7日に米スポーツ専門局ESPNが行った緊急アンケートでは75%の人が開催を支持。米国内でも関心が高まっている」とも報じている。

 さらに、他紙においてもエンゼルスの松井秀喜外野手が趣旨に賛同するコメントを出すなど、スター選手の間でも歓迎する動きが出てきているようだ。

イースタンリーグの参戦は社会人球界を救うか?

 2つめのイースタンリーグの社会人野球参戦は、プロの介入というよりプロによる社会人野球の救済という要素のほうが濃いようだ。

 現在、企業チームの数は85にとどまり、これは全盛期の1963年の237にはるかに及ばない。数の減少はそれだけライバルチームとの切磋琢磨の機会も奪うわけだから実力低下の懸念も出てくる。そういうタイミングでイースタンリーグ(育成選手による選手構成)の参戦問題が浮上したのである。

 なお、社会人球界は不況のあおりを受け、今年度の日本選手権を2段階に分けて行うことに決めている。例年なら1回戦から決勝まで京セラドーム大阪で行われるのを、今年は1回戦が「茨城・日立市民運動公園野球場」「愛知・岡崎市民球場」「京都・わかさスタジアム京都」「岡山・倉敷マスカットスタジアム」(10/30から2日間)、2回戦から本会場の大阪で行うことになった(11/9から6日間)。

 これはもちろん、各チームの経費負担(交通費、宿泊費など)軽減を目的にした制度変更である。

 問題山積の社会人野球をさまざまな面からバックアップするのは人材を供給される側のプロ野球なら当然のことで、個人的にはプロ・アマの垣根を越えて、社会人選手に限ってはシーズン中であってもプロ野球の試合に出られるようにしたらいいと思っている。

<次ページに続く>

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