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ミラン不振の理由はクラブW杯にあり? 

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酒巻陽子

酒巻陽子Yoko Sakamaki

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posted2007/11/08 00:00

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 3勝5敗3引き分け。これがリーグ戦11節終了時点でのミランの成績である。今年5月には欧州チャンピオンに輝いたクラブが、現在、勝ち点わずか14の9位と、シーズン序盤にして四苦八苦している。

 とりわけサン・シーロでのホームゲームでは白星がゼロという異常事態。いまだホームで勝てていないのは、現在セリエB降格圏内にいる19位のレッジーナ、最下位のリボルノ、そしてミランだけだ。10月にはホームでエンポリ、ローマに黒星を喫し、1966−67年シーズン以来41年ぶりに襲ったホーム2連敗というお粗末さに、フロントも動揺を隠せない。

 ミランサポーターでなくとも「名門」の不振について激論をかわすイタリア人も増えている。

 先日、『ラ・ガゼッタ・デロ・スポルト』がミランの不振の原因についてアンケートをとったところ、45.8%が「戦力不足」と答えた。一方で指揮官の采配ミス、つまりアンチェロッティ監督の解雇を指摘したのは10%。大方のひとが監督より選手のコマ不足が原因と考えているようだ。

 およそ半数が「戦力不足」と答えたように、DFマルディーニ、DFファバッリ、MFセルジーニョ、DFカフーなどの高齢選手がいまだ戦力であることに疑問を感じる。9節のローマ戦では古巣相手に奮闘したカフーではあるが、ハイペースで戦うことに限界が見えた。特に守備陣に35歳以上が多く、ローマのDFメクセス、インテルのDFキブーのような「今が旬」のDFは見当たらない。さらに、今夏レアルから迎えたMFエメルソンを一刻も早く復活させる必要もありそうだ。いまの状況では完全に「宝の持ち腐れ」となっている。

 さらに、ミランの不振の最大の要因は、12月7日から日本で行われるクラブ世界一決定戦「FIFAクラブワールドカップ」でのタイトル奪取に選手たちが、こだわりすぎていることと言われている。このタイトルを是が非でも手に入れたいと、ミランの主力選手たちは、ケガを避けるため、リーグ戦で気を抜いているような感じさえ受ける。前身のトヨタカップで1989年、90年の連覇以降、世界制覇とは縁遠くなっていることから、ミラン幹部もリーグ戦を一時棚にあげて、クラブワールドカップへのエネルギーを蓄えることを容認しているように思えてならない。MFカカも、初出場であるこの大会で世界制覇を成し遂げるべく、セリエAではケガを避けて得意のドリブル突破をあえて封印しているように見える。

 ローマに負けた日、メディアに追及されたアンチェロッティ監督は、「昨シーズンもポイント減でセリエB降格の危機に直面したが、結果的にはあるべき場所に落ち着いた」とポジティブに語ったが……。

 12月16日、横浜国際総合競技場でミランが念願のタイトルをゲットすれば、この不振も正当化されるのか。いずれにしても日本での戦いが、今後のミランのカギを握ることとなりそうだ。

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