巨人はルーキー澤村のクローザー起用で問題解決!?

　さて、こう書いてきた最後に何を書きたいのか？

　答えはいま、抑え投手が固定できない巨人は、ルーキーの澤村拓一投手のクローザー起用を検討すべきではないか、ということだ。

　澤村に条件は揃っている。

　球は速い。真っ直ぐの他にスライダーで空振りが取れる。何より勢いがある。

　障害は「澤村はエースとして大きく育てる投手だ」という先発完投優先思想だ。この起用をしたら、古い思想にとらわれている人々からは必ず批判もされるだろう。

　だが10年間、クローザーを任せられる投手を育てられれば、それは10年のエースを育てるのと同じぐらいの価値がある、ということに気づくべきなのだ。

クローザーの経験は“エース”への回り道になるはずがない。

　もう一つ、付け加えるとすれば、澤村にずっとクローザーをやらせる必要もない。もし、先発としての適性が勝るなら、いずれは先発に再転向させればいいだけのことなのだ。それは決して回り道でも何でもない。

　そして何より今のチーム編成で、クローザーを任せられる投手は限られている。しかもその中で、最も適性を持ち、その起用がBクラスに低迷しているチームに化学反応を起こさせる可能性があるのは、いったい誰なのか？

　先発完投優先思想にとらわれなければ、澤村こそ、いまの巨人で最もクローザーに適した人材なのは間違いない。