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キッシンジャーの「異常な愛情」は、
FIFAの底知れぬ闇を照らすか? 

text by

田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

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photograph byKYODO

posted2011/07/08 10:30

キッシンジャーの「異常な愛情」は、FIFAの底知れぬ闇を照らすか?<Number Web> photograph by KYODO

政界入りする前は、ハーバード大学で国際政治学の教鞭をとっていた“ドクター・キッシンジャー”。当時、そこで学んだ者の中には中曽根康弘元首相もいた。日本と中国、そしてアジア諸国にとっても非常に重要な役割を果たし、今でもその影響力は世界的にみても最大級である

日本は世界のサッカー界の現実をもっと直視すべき。

 かといって、日本のサッカー界も同じ土俵に立ち、レアルポリティークの勝負を真っ向から挑めなどと主張するつもりは毛頭ない。アジアの盟主として建設的な提言を行っていく意味でも、FIFA理事のポストは回復されるべきだと思うが(現在、日本人のFIFA理事は不在)、長期的には日本独自のフェアで潔いやり方を貫いていったほうが得られるものは大きくなるのではないか。

 であればこそ……世界のサッカー界のリアリティを再認識しておいて損はないはずだ。日本人がサッカーというスポーツに抱くイメージと、実際に行われていることの凄まじさやえげつなさの間には大きなギャップがある。それは最近特に問題になっている、海外クラブによるJリーグ所属選手の強引な買い漁りをみても明らかだろう。

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ヘンリー・キッシンジャー

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