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強すぎるんだよなぁ、今年も 

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安藤正純

安藤正純Masazumi Ando

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photograph byGetty Images/AFLO

posted2005/08/11 00:00

強すぎるんだよなぁ、今年も<Number Web> photograph by Getty Images/AFLO

 開幕戦を見た。それも話題のアリアンツアレーナで。もう、ムフフである。何がって、こんなに素晴らしいスタジアム、欧州のどこにもないんですから。ホント、もう少しでチビるところだった。

 まず外観。外壁の色が試合をしているチームのカラーによって3色に変化するのはご存知の通り。建築美に目を奪われるのは誰でも同じだ。平日のスタジアムツアーは大人気で、15分ごとに50人ほどを捌いている。ファンショップも人で溢れかえる。恐らく毎日1万人以上が来場していることだろう。

 で、内部。収納式のシートは座席幅が格段に広くなった。最前列では選手の息遣いが伝わる。嬉しいのは正真正銘のビールが販売されていること。以前の五輪スタジアムでは、ノンか低アルコールのビールしか飲めなかった。

 さて肝心の試合は、10人で闘ったバイエルンの圧勝だった。ボルシアMGのチャンスはポストに当たったシュートの1回のみ。あれだったら私だってバイエルンのゴールを守れる?そのくらいの大差を感じたが、少々ガッカリもしている。何がって、バイエルンが強すぎるからである。

 85分間、眠ったフリをしていたのに2点を奪ったマカーイを誰が止められるのか。彼がダメだったらペルー人コンビがいる。MF中央にいたかと思えば、臨機応変に右へ左へと開くバラックに勝る体力と技術の持ち主がいるというのか。ルシオとイスマエルのDFコンビは顔が怖い(冗談ですよ)。デミチェリスは守りのどこでもプレー可。MFもDFも両サイドは質と量で困らない。つまりどこをとってもバイエルンは人材の宝庫。ここがシャルケ、ブレーメン、レバークーゼンと違う。

 だからだろうか、開幕2日前の記者会見でマスコミはもう、バラックにシーズンへの抱負などというありきたりの質問はしなかった。優勝は決まりですよね、そんな雰囲気が漂っていた。じゃあ、何を聞いたのか。決まってる。「今季で契約が切れますが、外国に行くのですか?」だ。20分間のうち、15分がこの話題だった。

 でもね、それでいいのかねぇ?これじゃまるで、銀河を支配する帝国軍だよ。最初から結論がでているんじゃ、面白い展開になんてならないぞ。

 そこで私はこう思った。どこかのチームが“フォース”の力を借りて、バイエルンをコテンパンに打ち破ってほしい──と。バイエルンは悪党ではない。だけど間違いなく、“強すぎるゆえ憎まれる”悪役である。

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