ジーコ・ジャパン ドイツへの道BACK NUMBER

リハーサル試合に手応え 

text by

木ノ原久美

木ノ原久美Kumi Kinohara

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photograph byRyuichi Kawakubo/AFLO SPORT

posted2004/07/13 00:00

リハーサル試合に手応え<Number Web> photograph by Ryuichi Kawakubo/AFLO SPORT

 3カ国対抗のキリンカップが7月9日、広島ビッグアーチで行われた。開幕戦の日本vsスロバキアは、日本は3―1で勝利した。日本代表ジーコ監督は、今月17日から中国で開催されるアジアカップへのリハーサルとして、まずまずの手ごたえを得たようだ。

気温は25.3度だが、湿度が91パーセント。風もほとんどない。動けばじっとりと汗が出る。まるで、日本のアジアカップの一次リーグの舞台となる中国・重慶を想定したかのようなコンディションになった。その中で、日本選手は慌てず、じっくりとプレーした。

「湿度の高い中で相手は引いて来る。アジアカップに参考になる試合だった」とジーコ監督は話した。

立ち上がりから守備を固めてきた若手中心のスロバキアに、日本は前半攻めあぐね、リズムも悪く、途中からはミスが目立つようになったが、前半終了直前、MF中村の左CKにMF福西が合わせて1−0で折り返した。

「縦(へのパス)ばかりでなく、変化をつけろ。ボールを動かしてスペースを作れ」というジーコ監督の指示を受けて、後半は攻撃が活性化した。

一度は、後半19分にCKからスロバキアFWバブニッチにヘディングを決められて、同点にされるが、その2分後、鈴木が中村からのスルーボールに反応して、飛び出してきたGKをかわして再びリードを奪う。さらに、後半37分には交替出場のFW柳沢が、止めに出てきたGKを振り切って2月のイラク戦以来となるゴールで、相手を突き放した。

5試合5得点と好調だったFW久保を膝のケガで欠き、ここ数試合中盤でプレーメーカーとしての存在感を示してきたMF小野も五輪チーム優先で不在。MF稲本もケガで離脱中だった。

この日、中盤でゲームメークの中心となった中村からは、相手DFの裏をつく効果的な仕掛けのパスが何本も生まれ、復調を印象付けた。だが、久保の代わりにFW玉田と初めてコンビを組んだ鈴木は、前半は期待されたようなくさび役を果たせず、ミスで好機を生かせない場面も何度かあった。それも前半日本が責めあぐねた要因だったか。

「自分のミスが多くて、チームの流れを悪くしてしまった」と鈴木は話した。

ハイテンポでなくても、ボールキープをして効率よく攻めることはできた。ジーコ監督も「身体が動かない中、いかに正しくボールを動かしていくか。ボールを動かす余裕は大事で、それはできていた。近い将来役に立つと思う」と“リハーサル”試合でのチームの出来に手応えを感じている。

だが、久保に代わって入った鈴木のように、前線にタイプの違う選手が入った時にどう攻めるのか、チ−ムとしてのイメージを共有するのはまだのようだ。それに、仕掛けを作るのが中村だけというのでは、彼がおさえられれば苦しい状況になってしまうという心配がある。

 いつ、どこで、どう攻めるか。

 中村は、「瞬間のアングルや、くさびで持ったら誰かが動くというような、スムーズな動きもあまりなかった。チーム全体で、どこで攻めるかが大切」と指摘した。

 次は13日に横浜国際競技場でセルビア・モンテネグロと対戦する。スロバキア戦で負傷したDF坪井以外は同じ先発メンバーで臨みたいというジーコ監督。チームとしての“あうんの呼吸”がより多く生まれるように期待したい。

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