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イタリア、いつものスロースタート 

text by

西部謙司

西部謙司Kenji Nishibe

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photograph byGetty Images/AFLO

posted2004/06/15 00:00

イタリア、いつものスロースタート<Number Web> photograph by Getty Images/AFLO

 古都ギマラエスは小さな街。ドン・アルフォンソ・エンリケもこじんまりした英国調の箱型スタジアム。今日も晴天で気温33度。デンマークサポーターの応援が響く中でキックオフの笛が鳴った。

 どちらもフォーメーションは4−2−3−1だが、攻撃のやり方が対照的。デンマークが両サイドをいっぱいに使って展開するのに対して、イタリアは中央への一発狙いが主体。これはイタリアの伝統ともいえるが、ペナルティーエリアから外を使って攻めようという意図が薄く、そのために右のカモラネージ、左のデルピエロともにあまりパスがもらえない。2人とも徐々に中央に寄ってきてしまった。これでは、わざわざこのフォーメーションを採用している意味がない。さらにボランチの展開力でデンマークが勝り、前半の主導権を握った。

 デンマークは右のロメンダルがタテへの突破、左はヨルゲンセンとサイドバックのニクラス・イエンセンが絡んでクロスを入れる形が多い。そのときに、サンドとトマソンの中へ詰めていくスピードが鋭い。ただし、イタリアの中央守備も固くゴールは割らせない。一方のイタリアはボール奪取後のカウンターしかチャンスを作れず。0−0で折り返す。

 後半、イタリアはフォーメーションを修正した。2トップにビエリとデルピエロ、トップ下にトッティを置いた4−3−1−2へ。もともと有効にサイドを使えないのだから、むしろこのほうがイタリアらしい明確なカウンターをやるには好都合である。デルピエロが左と中央を往復するので、ザンブロッタがオーバーラップするスペースも出来た。

 イタリアの攻めは核心をつくようになり、トッティのスルーパスからザンブロッタがシュートしたが角度が狭く右へ外した。デンマークもサンドのヘディングシュート、トマソンのフリーシュートなど決定機を作ったがGKブッフォンの好セーブもあってこちらもゴールには至らない。

 結局、両チームとも得点はなくスコアレスドロー。イタリアは4バック(左は攻撃的)に2人の守備的MF、1人のウイング的MF、トップ下、2トップという伝統的な構成でタレントも揃っているが、組み立てが力不足。前線のタレントを生かしきれなかった。まあ、いつも序盤はこんなものなので調子を上げていくのだろう。デンマークは守備がきっちりしていて、中盤もシンプルに捌ける。イタリアと引き分けられたことは今後に利いてくるかもしれない。

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