昨季、J2最終戦の大逆転で昇格を決めた湘南の反町康治監督。J1でもサプライズを起こすことができるか

Jリーグであえて「格差」を楽しむ。
~ピッチ外の社会的テーマに注目~

木崎伸也 = 文 ⇒この著者の記事一覧

text by Shinya Kizaki

photograph by Shigeki Yamamoto

Jリーグであえて「格差」を楽しむ。~ピッチ外の社会的テーマに注目~

関連アスリート・チーム:

チーム・選手名
手倉森 誠
城福 浩
反町康治
モンテディオ山形
湘南ベルマーレ

 いよいよ南アフリカW杯が4カ月後に迫り、今季のJリーグはいつも以上に注目を集めることになりそうだ。

 とはいえ、「誰がメンバーに選ばれるか」とか、「誰が秘密兵器になるか」というW杯の話題ばかりになってしまうのはもったいない。こういうときこそ、普段Jリーグに触れる機会が少ない人に魅力を伝えるチャンスでもあるだろう。

 今回は筆者の独断と偏見で、「Jリーグの楽しみ方」を2つ紹介しよう。

貧する者が富める者を倒す痛快劇がJリーグには存在する。

 ひとつ目は、「格差を楽しむ」だ。

 Jリーグが発表する各クラブの営業収入を見ると、それぞれの経営規模にはかなりの“格差”があることがわかる。2008年度の公開資料をもとに、5つのグループに分けた。

<貧乏>

山形(6億2600万円)

湘南(9億3000万円)

<庶民>

仙台(14億2100万円)

C大阪(19億4000万円)

神戸(20億260万円)

広島(22億8700万円)

京都(25億020万円)

新潟(25億9000万円)

<中流>

大宮(30億5900万円)

川崎(33億2000万円)

磐田(33億8700万円)

FC東京(34億3300万円)

清水(34億5700万円)

<金持ち>

横浜FM(40億9200万円)

名古屋(40億7100万円)

鹿島(41億8000万円)

G大阪(43億9900万円)

<超金持ち>

浦和(70億9100万円)

「貧乏」の山形の営業収入は、「超金持ち」の浦和の10分の1以下。また、同じく湘南も約8分の1で、経営規模だけを見ると、両者の間には埋めようのない差が存在している。

 しかし、金持ちが必ず勝つとは限らないのがスポーツの世界だ。

 昨季、山形は「超金持ち」の浦和に全敗してしまい、「金持ち」のG大阪、鹿島、名古屋にも勝てなかったが、横浜FMからは1勝を上げることができた。裏を返せば、山形は金持ち相手に1勝しかできなかったということなのだが、機会が限られているからこそ、1度のジャイアントキリングの価値が増すというものだ。

<次ページに続く>

► 【次ページ】  経営母体の多様さが“魅力的な格差”を生じる。

(更新日:2010年2月16日)

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筆者プロフィール

木崎伸也

木崎伸也

1975年1月3日、東京都出身。2002年W杯後にオランダへ移住し、'03年からドイツ在住。現地のフットボール熱をNumberほか多くの雑誌・新聞で伝えてきた。'09年2月1日には帰国し、海外での経験を活かした独自の視点で日本のサッカージャーナリズム界に新風を吹き込んでいる。著書に「2010年南アフリカW杯が危ない!」(角川SSC新書)、「サッカーの見方は1日で変えられる」(東洋経済新報社)がある。7月23日には最新刊となる「世界は日本サッカーをどう報じたか」(KKベストセラーズ)を上梓した。


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